品川駅に直結する京急本線
京浜急行電鉄本線(以下、京急本線)は、JR以外の私鉄で唯一、品川駅に直通する路線です。空港線は羽田空港第1・第2ターミナル駅にもつながっており、今後の羽田空港の開発に伴って、京急本線の各駅利用者はさらに増えていくことが予想されています。
そして今回ご紹介する京急本線の立会川、大森海岸、平和島、大森町の4駅は、品川駅まで約10分圏内の好立地。神奈川県に続く路線のため、横浜や三浦半島方面にもアクセスしやすく、レジャーやショッピングなどにも便利なエリアです。
品川駅周辺は日本有数のオフィスビル群
品川駅は、JR東日本(山手線、上野東京ライン、京浜東北線、横須賀線)、JR東海(JR東海道本線)、JR東海道新幹線、京浜急行線が通る日本有数の大規模な駅です。
駅の東側は、オフィスビル群になっており、多くの大企業が品川駅周辺に集結しています。日本マイクロソフト株式会社やソニー株式会社をはじめとした本社を構える企業も多く、多くの人の行き来を目にすることができます。
品川駅周辺の大規模再開発
品川開発プロジェクト(第I期)
品川駅と泉岳寺駅周辺では、よりグローバルでより文化的な街となるべく、「グローバルゲートウェイ品川」をコンセプトに品川開発プロジェクトが進んでいます。新たな街の名称は「TAKANAWA GATEWAY CITY(高輪ゲートウェイシティ)」に決定、2025年3月の“まちびらき”を目指しているとのことです。
品川開発プロジェクトは、全体の延べ床面積が約851,000m2、予定工期は2019年度〜2024年度となっている巨大プロジェクト。主要用途としては、住宅や教育施設、商業施設、ホテル、ビジネス支援施設などがあります。
機能が異なる4つの街区
開発エリアは4つの街区に分かれており、今回はそのうちの2区と4区を簡単に紹介します。
文化創造施設を兼ね備えた「第2街区」
第1街区の南に位置する第2街区は、地域住民も利用できる実験スペースや多様な演出や最先端かつ実験的な演出に対応した、最大2,000人規模のホールなどを完備します。
ビジネス交流機能を兼ね備えた「第4街区」
第4街区は、国際ビジネスの創造や交流の場となるようです。国際会議や国際展示イベント等で活用できる施設を完備し、国際ビジネスの創造や交流を促します。
また、デッキや歩行者通路を設け、街や地域をつなぎ人々が交流する、さまざまなアクティビティを体感できる広場空間となるようです。
そのほかのエリアは以下のような構成になるようです。
1街区 住宅棟(地上44階・地下2階)
外国人ビジネスワーカーに対応した高層高級賃貸住宅、インターナショナルスクール(低層部)、ビオトープを備えた広場
2街区 文化創造棟(地上6階・地下3階)
展示施設、ホール、飲食施設など
3街区 複合棟II(地上31階、地下5階)※泉岳寺駅隣接
大規模複合棟 オフィスフロア、商業施設、クリニック、フィットネス、子育て支援施設
4街区 複合棟I(North:地上29階・地下3階、South:地上30階、地下3階)※高輪ゲートウェイ駅直結
大企業本社機能ハイグレードオフィス、大規模コンベンション・カンファレンス機能、高層ラグジュアリーホテル「JW マリオット・ホテル東京」(South)、ルーフトップレストラン(North)
参考:高輪ゲートウェイシティ(仮称)のまちづくりについて(PDF)|JR東日本
品川駅周辺と共に発展する高輪ゲートウェイ駅
2020年春に開業した高輪ゲートウェイ駅は、「TAKANAWA GATEWAY CITY」と人とを結ぶ役目となり、新しい街の核となる存在です。
AIを活用したAI決済システムを導入した無人店舗によって、今までにない購買体験の実現や、警備ロボットや清掃ロボットなどを試行導入しています。
品川駅はリニア中央新幹線の始発駅
さらに品川駅は、東京と名古屋を最短40分でつなぐリニア中央新幹線の始発駅となっていることでも注目を集めています。
従来の新幹線で、東京〜大阪間の所要時間が約2時間30分かかっていたところ、リニア新幹線はわずか1時間7分で到着でき、より早く快適に地方へと移動することが可能になります。
なお、品川〜名古屋間は2027年の開業を目指していましたが、諸問題により2027年の開業は難しい状況のようです(2023年10月現在)。
京急本線の概要
遅延に強い
京急本線は遅延の少ない路線として知られています。国土交通省が発行する東京圏の1カ月あたりの遅延証明書発行日数(平成30年度)は、JR山手線は16.7日、JR京浜東北線・根岸線は17.7日、東京メトロ千代田線は19.2日だったのに対し、京浜急行電鉄(品川〜横浜)間で5.7日となっており、ほかの路線と比べても遅延が少ないということがわかります。
参照: 東京圏の鉄道路線の遅延「見える化」(平成30年度) (PDF)|国土交通省
羽田空港へのアクセスも良好
京急本線で羽田空港へ行く場合の乗換駅は京急蒲田駅です。京急蒲田から羽田空港第1・第2ターミナルまでは乗り換えなしで8分ほど、京急蒲田から品川へは最短6分で行くことができ、交通の便も非常に優れています。品川〜羽田空港間の所要時間は最短でわずか14分です。
沿線の大学
京急本線沿線には、多くの大学キャンパスが存在します。
東海大学 品川キャンパス | 2,184人(2023年5月時点) |
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明治学院大学 白金キャンパス | 5,205人(2023年5月時点) |
慶應義塾大学 三田キャンパス | 11,143人(2023年5月時点) |
東京工科大学 蒲田キャンパス | 2,512人(2023年5月時点) |
横浜市立大学 鶴見キャンパス | 708人(2023年5月時点) |
沿線の企業
企業名 | 従業員数 |
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東洋水産株式会社 | 4,745人(連結) |
ソニー株式会社 | 113,000人(連結、2023年3月時点) |
日本マイクロソフト株式会社 | 3,040人(2022年4 月時点) |
株式会社電通国際情報サービス | 3,388人(連結、2022年12月時点) |
NTTコムウェア | 6,201人(2023年6月時点) |
大東建託株式会社 | 8,128人(2023年3月時点) |
株式会社ディスコ | 4,510人(2023年3月時点) |
キヤノンマーケティングジャパン株式会社 | 4,653人(022年12月時点) |
人口推移
2010年から2020年にかけ、立会川、大森海岸、平和島、大森町いずれの駅でも人口が増加しています。特に大森海岸が右肩上がりに伸びており、今後もさらなる増加が見込まれます。
将来の予測データからも、大田区の人口予測、そして品川周辺の人口も品川区が試算した2030年までのデータで、人口増加が予想されています。
現在のまちの様子(2021年1月時点)
次に、現在のまちの様子を紹介します。
駅周辺のまち並み
- 立会川
- 大森海岸
- 平和島
- 大森町
立会川
立会川駅から品川駅までは乗り換えなしで最短5分でアクセスできます。
立会川は、坂本龍馬が青春時代を過ごした地として有名です。街には、坂本龍馬像や黒船の警護の際に使用されていた砲台の模型などがあります。
大森海岸
大森海岸駅から品川駅までは、最短で約9分です。
「しながわ水族館」への最寄り駅として幅広い年齢層の方々が利用しています。レジャー以外にも、敷地面積12,014m2にも及ぶ複合施設「大森ベルポート」や、大森海岸駅から徒歩3分のところには、イトーヨーカドーもあります。JR大森駅も利用できる便利なエリアです。
平和島
品川駅までは乗り換えなしで最短6分、羽田空港までは最短14分でアクセスできます。
平和島には、広さ約99,000m2もの平和の森公園があり、アスレチックやテニスコートなどが備わっています。
平和島駅から徒歩13分ほどの場所には、「BIGFUN平和島」という大型ショッピングモールがあります。映画館や天然温泉「平和島温泉」も併設されており、多くの利用者で賑わっています。
大森町
品川駅まで平和島乗り換えで最短9分、乗り換えなしだと最短12分、横浜・川崎へは20分ほどでアクセスできます。駅から徒歩10分のところには、3フロアに40店が出店する商業施設「マチノマ大森」があり、日常生活をサポートする施設が充実しています。
少し足を延ばせば、春は桜が咲き、絶景のお花見スポットとなる「大森ふるさとの浜辺公園」があります。ビーチバレーやフットサル場など、スポーツを楽しめる施設もあります。
駅前には、生活に欠かせないスーパーが数多くあります。
まとめ
立会川、大森町、平和島、大森町と、どのまちも、一人暮らしはもちろん、公園も数多くあるのでDINKsやファミリー層など、年齢を問わず住み心地の良いまちです。
さらなる開発が進む品川駅を中心にこれからも発展し続け、多くの人々が来訪する多様性のある街へとさらに変貌を遂げることでしょう。