主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年10月11日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼10日(火)の為替相場
(1):米債利回りが低下
(2):仏中銀総裁「これ以上の利上げに踏み切る根拠はない」
(3):IMF世界経済見通し公表
(4):中国 新たな景気刺激策を準備
(5):アトランタ連銀総裁「これ以上の利上げが必要だとは思わない」
▼10日(火)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:直近のレンジで推移しそう/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
10日(火)の為替相場
期間:10日(火)午前6時10分~11日(水)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):米債利回りが低下
米10年債利回りはアジア市場の時間外取引で3連休前の4.80%付近から大きく低下して4.62%台で取引が始まった。イスラエルとイスラム組織ハマスの大規模な戦闘を受けて安全資産の米国債に資金が流入した。これを受けてドル/円は1週間ぶりに148.17円前後まで下落した。しかしその後は、日本株の大幅高を受けて持ち直した。
(2):仏中銀総裁「これ以上の利上げに踏み切る根拠はない」
仏中銀のビルロワドガロー総裁は「今から2025年の間にインフレ率は目標の2%に向かって落ち着くと我々は予想している。これを変更する理由は見当たらない」としてイスラエル情勢はインフレ見通しに影響しないとの考えを示した。その上で「ECBがこれ以上の利上げに踏み切る根拠はなく、主要政策金利を必要な限り高い水準に維持するべきだ」と述べた。
(3):IMF世界経済見通し公表
国際通貨基金(IMF)は、この日発表した世界経済見通し(WEO)で、2024年の世界の成長率見通しを2.9%とし、7月時点の予測から0.1%ポイント引き下げた。2023年は3.0%に据え置いた。国・地域別では中国とユーロ圏の成長予測を下方修正。米経済は顕著な強さが見られるが、世界全体の成長は依然として弱く不均一との見方を示した。
(4):中国 新たな景気刺激策を準備
「中国は2023年の財政赤字拡大を容認することを検討しており、経済成長目標を達成するため新たな景気刺激策の準備を政府が進めている」との関係者の談話が伝わった。中国の景気回復期待から一時豪ドル買いが強まった。
(5):アトランタ連銀総裁「これ以上の利上げが必要だとは思わない」
アトランタ連銀のボスティック総裁は「米政策金利はインフレ率を2%に押し下げるのに十分に景気抑制的な水準にある」として「これ以上の利上げが必要だとは思わない」と明言。やや持ち直していた米10年債利回りが再び低下するとドル/円は上げ幅を縮小した。
10日(火)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:直近のレンジで推移しそう
昨日のドル/円は不安定ながらも小幅高の展開。中東の地政学リスク拡大や、米追加利上げ観測の後退で米長期金利が低下する中、148.10円台まで下落したがその後持ち直した。世界的な株価の反発などを受けて米長期金利が下げ幅を縮小すると149.10円付近まで上昇した。ただ、149円台の上値は重く148円台後半に押し戻されて前日比+0.1%の小幅高で取引を終えた。パレスチナ情勢の悪化を受けた市場のリスク回避の動きはひとまず一巡。
市場の関心は米追加利上げの可能性を巡り、明日発表される米9月消費者物価指数(CPI)に向かっている。それに先立ち本日は、ボウマン米連邦準備制度理事会(FRB)理事の講演や米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録の公表が予定されている。ドル/円は米長期金利を睨んだ展開が続くと見られるが、明日の米9月CPIを前に直近のレンジである148円台前半から149円台前半で推移しそうだ。
注目の経済指標:米生産者物価指数
注目のイベント:FRB高官発言
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経済指標・イベントの結果について
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経済指標カレンダー
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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