主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年10月13日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼12日(木)の為替相場
(1):英GDPは予想通り
(2):ECB議事録公表
(3):米CPIは予想を上回る
(4):米30年債入札が不調
▼12日(木)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:150.00円を超えられるかが焦点/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
12日(木)の為替相場
期間:12日(木)午前6時10分~13日(金)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):英GDPは予想通り
英8月国内総生産(GDP)は前月比+0.2%と予想通りだった。同鉱工業生産は前月比-0.7%で予想(-0.1%)を下回った。また同貿易収支は159.50億ポンドの赤字となり、赤字額は予想(149.50億ポンド)より大きかった。
(2):ECB議事録公表
欧州中銀(ECB)は9月14日に開いた理事会の議事録を公表。「一部のメンバーは金利を現在の水準に維持すること(利上げ見送り)を支持」したものの、「利上げの一時停止により引き締めサイクルが終わったとの憶測が生まれ、インフレが回復するリスクが高まる可能性があると主張」して「多数のメンバーは25bp(0.25%ポイント)の利上げへの支持を表明」したことが分かった。
(3):米CPIは予想を上回る
米9月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.4%と予想(+0.3%)を上回り、前年比でも+3.7%と予想(+3.6%)以上の伸びとなった。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIは前年比+4.1%で予想通りに前月(+4.3%)から伸びが鈍化した。同時に発表された米新規失業保険申請件数は20.9万件と引き続き低水準にとどまり、市場予想(21.0万件)を僅かに下回った。
(4):米30年債入札が不調
米30年債入札は応札倍率が前回を下回るなど不調な結果となった。これを受けて米長期金利が上げ幅を拡大。金利の上昇によって相対的に割高感が強まった米国株は下げ幅を拡大した。ドル/円は日米金利差の拡大で強含んだが、株安を受けたクロス円の下落が重しとなり150円手前で伸び悩んだ。
12日(木)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:150.00円を超えられるかが焦点
昨日のドル/円は149円台後半へと続伸。米9月消費者物価指数(CPI)が予想を上回り米長期金利が上昇する中、149.83円前後まで上伸して今月3日以来の高値を付けた。米連邦準備制度理事会(FRB)当局者の発言などから、このところ後退していた年内の追加利上げ観測が再燃する形でドルが全面的に上昇した。
本日のドル/円は節目の150.00円を再び超えられるかが焦点となろう。1ドル150円は「いわくつき」の水準であり、今月3日に150.16円前後まで上昇した直後には、政府・日銀による円買い介入観測で一時147円台へ急落した経緯がある。介入警戒感が強い150円台へ続伸するのは容易ではないと見るが、仮に150円台に乗せるとすれば、円売り主導ではなく米長期金利の大幅上昇によってドル買いが続くケースだろう。NY市場で発表される米10月ミシガン大消費者信頼感指数の期待インフレ率がそのきっかけとなるか注目しておきたい。そのほか、8月の講演で年内の追加利上げは不要との見解を示したハーカー米フィラデルフィア連銀総裁の発言にも注目したい。
注目の経済指標:米ミシガン大消費者態度指数
注目のイベント:フィラデルフィア連銀総裁講演
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経済指標・イベントの結果について
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経済指標カレンダー
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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