譲渡希望者から寄せられる相談とは

譲渡希望者から受ける相談についても、後継者問題や設備の老朽化、将来の業績不安、近隣の医療機関が売却したこと、経営ではなく診療に集中したいといった希望から相談が寄せられているという。

後継者不在がM&Aのきっかけになった複数の実例も紹介された。そのうち、100年以上に渡り地域医療を支えてきた中小規模の医療法人のケースでは、理事長は80歳代、4人の子供のうち3人は医師だが、病院経営を引き継ぐ気はなく、一時は閉院を考えていたという。そうしたなかで、第三者承継の存在を伝えたところ、譲渡側が地域医療機関としての機能を維持すること、職員の雇用を維持することなどの条件を提示。その条件を満たしたことから、最終的に病院や介護施設を運営支援する企業への承継が実現した。実例紹介などを踏まえ、同氏は医療法人が抱える課題にM&Aが有効手段のひとつであるとまとめた。

文:M&A Online