M&A Onlineが大量保有データベースで2023年8月の大量保有報を告書などの提出状況を調べたところ、「ユニクロ」の創業者でファーストリテイリングの会長兼社長の柳井正氏が同社株を1.1%売却し、保有割合を43.32%に引き下げたことが分かった。
売却の理由は明記しておらず、報告書の提出理由として「株券等保有割合が1%以上減少したこと」としている。
柳井氏は2020年3月に提出した報告書で同社株を44.88%を保有していたが、2022年11月までに0.46%売却し、保有割合を44.42%に引き下げていた。
ANYCOLORは三井住友トラストが買い増し
このほか、8月はユーチューバーの管理会社であるUUUMの鎌田和樹会長が同社株を0.13%売却し、保有割合を30.28%に引き下げた。鎌田氏は2017年9月時点でUUUM株41.12%を保有しており、その後売却を続け、この8月で保有割合は11ポイント近く下がったことになる。
UUUM株については、メディカルノート(医師や病院と患者をつなぐ医療検索サイト)社長の梅田裕真氏も0.99%売却し、保有割合を9.01%に引き下げた。梅田氏は2017年9月に「純投資」を理由に、UUUM株10.00%を新規に保有していた。
一方、ユーチューバーと対峙するVチューバ―グループの運営などを手がけるANYCOLORについて、三井住友トラスト・アセットマネジメントが同社株を1.07%買い増し保有割合を6.19%に高めた。
ハイデイ日高は神田会長が売却
中華料理店「日高屋」を運営するハイデイ日高株について、同社会長の神田正氏が、1.01%を売却し保有割合を23.00%に引き下げた。
また飲食関連では業績悪化に苦しむ「いきなり!ステーキ」を運営するペッパーフードサービスについて、投資の助言や代理業を手がけるフラッグシップアセットマネジメントが3度売却(4.03%)し、保有割合を23.13%に引き下げたほか、イタリアンファミリーレストラン「サイゼリヤ」を展開するサイゼリヤについて、保険代理店業やレンタル業などを手がけるバベットの保有割合が0.48%低下し8.04%となった。
バベットは保有の理由について「発行会社の創業家が議決権を有する会社であり、安定株主として長期保存することが目的」としている。
2023年8月の大量保有報告などの提出件数は937件で、このうち保有割合を増やしたのは253件、新規保有が152件、保有割合を減らしたのが463件、契約の変更などが69件だった。
文:M&A Online