外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。

作成日時 :2023年10月20日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

目次

▼19日(木)の為替相場
(1):本邦貿易収支は予想に反して黒字
(2):豪雇用統計を受けて豪ドル下落
(3):米新規失業保険申請件数は1月以来の低水準
(4):パウエルFRB議長発言を受けてドル/円上昇

▼19日(木)の株・債券・商品市場

▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:膠着状態が続きそう/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント

19日(木)の為替相場

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期間:19日(木)午前6時10分~20日(金)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム

(1):本邦貿易収支は予想に反して黒字

日本9月貿易収支(通関ベース)は市場予想(4515億円の赤字)に反して624億円の黒字となった。自動車や自動車部品の輸出がけん引して輸出全体が伸びた。これを受けてやや円買いに傾く場面があった。

(2):豪雇用統計を受けて豪ドル下落

豪9月雇用統計は新規雇用者数が0.67万人増にとどまり、市場予想(2.00万人増)を下回った。一方、失業率は3.6%に低下した(予想、前月ともに3.7%)。新規雇用者数の内訳で正規雇用者が3.99万人減少(非常勤雇用者は4.65万人増)したことや、失業率の低下が労働参加率の低下(職探しをあきらめた人の増加)によるものだったことから、豪雇用市場が緩み始めたと受け止められて豪ドルが下落した。

(3):米新規失業保険申請件数は1月以来の低水準

米新規失業保険申請件数は19.8万件と予想(21.0万件)を下回り、今年1月以来の水準に減少した。前週は21.1万件だった。その後に発表された米9月中古住宅販売件数は年率換算396万件と前月(404万件)から減少したが、市場予想(389万件)は上回った。

(4):パウエルFRB議長発言を受けてドル/円上昇

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長はNYエコノミッククラブで講演。今後の金融政策運営について「不確実性とリスク、これまでの道のりを考えて注意深く進めている」と発言。ただ、「持続的にトレンドを上回る成長、あるいは労働市場の逼迫がもはや緩和していないことを示す新たな証拠があれば、インフレ率のさらなる進展がリスクにさらされる」とし、その場合「追加の引き締めが正当化される可能性がある」と述べた。米債市場では、11月の利上げは見送りが決定的になったとの見方から2年債利回りが低下した一方、高水準の政策金利が長期化するとの見方から10年債利回りは上昇した。このためドルは売買が交錯。ドル/円は149.96円前後まで上昇して3日以来の高値を付けたが節目の150.00円を目前に伸び悩んだ。クロス円も一時上昇したが中東情勢への懸念などから米国株が軟化したため買いは続かなかった。

19日(木)の株・債券・商品市場

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ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)

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人気通貨ペア 本日の予想レンジ

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ドル/円の見通し:膠着状態が続きそう

ドル/円は昨日も149円台後半でのもみ合いが継続。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が追加利上げの可能性に言及したことで149.96円前後まで上昇したものの、日本政府・日銀の「防衛ライン」として意識されている150.00円を目前に伸び悩んだ。とはいえ、米10年債利回りが16年ぶりに5%前後まで上昇する中で下値も堅く149.67円前後で下げ渋った。
なお、パウエルFRB議長は「追加の引き締めが正当化される可能性がある」と発言したが、それには「成長が持続的にトレンドを上回っていること、または労働市場の引き締まりが緩和されていないことを示す新たな証拠が出れば」との条件が付けられた。市場は次回10月31-11月1日の連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げを見送るとの見方を強めている。このため、一段のドル買いの決め手にはなりにくかったようだ。
ドル/円は本日も149円台後半を中心に膠着状態が続きそうだ。オプション市場の1日物予想変動率(インプライドボラティリティ)は5%前後に低下している。このところの狭いレンジでの値動きも踏まえると、短期筋のポジションがどちらかに大きく傾いている様子はない。週末を控えた持ち高調整も出にくいと見る。

注目の経済指標:英小売売上高

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注目のイベント:植田日銀総裁講演

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経済指標・イベントの結果について

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経済指標カレンダー

神田 卓也
神田 卓也(かんだ・たくや)
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。

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