主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年10月31日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼30日(月)の為替相場
(1):豪小売売上高 予想を大幅に上回る
(2):ドイツ3四半期ぶりのマイナス成長
(3):ドイツCPIは伸びが鈍化
(4):日銀 観測記事で円急伸
▼30日(月)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:日銀会合にいつも以上の注目が集まる/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
30日(月)の為替相場
期間:30日(月)午前7時00分~31日(火)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):豪小売売上高 予想を大幅に上回る
豪9月小売売上高は前月比+0.9%と市場予想(+0.3%)を大幅に上回った。豪中銀(RBA)が下振れリスクとして警戒している家計消費の底堅さが示されたことで、市場では11月の利上げ期待が上昇した。
(2):ドイツ3四半期ぶりのマイナス成長
独7-9月期国内総生産(GDP)・速報値は前期比-0.1%と3四半期ぶりのマイナス成長となったが、市場予想(-0.2%)は上回った。前年同期比では-0.8%だった(予想-1.0%)。
(3):独CPIは伸びが鈍化
独10月消費者物価指数(CPI)・速報値は前年比+3.8%と、市場予想(+4.0%)を下回り前月(+4.5%)から伸びが鈍化。欧州連合(EU)基準CPIは前年比+3.0%だった(予想+3.3%、前回+4.3%)。
(4):日銀 観測記事で円急伸
日本経済新聞は電子版で「日銀、金利操作を再修正へ 長期金利1%超え柔軟に」と報じた。日銀金融政策決定会合を翌日に控える中、イールドカーブ・コントロール(YCC)再修正の観測報道を受けて円が一時急伸した。記事によると日銀内では「現在1%としている長期金利の事実上の上限を柔軟にし、一定程度1%を超える金利上昇を容認する案が有力」とのこと。また「日銀が長短金利操作を修正して一定程度の金利上昇を容認すれば、一方的な円安進行に歯止めがかかる可能性がある」として円安の抑制も再修正の狙いのひとつであるとした。
30日(月)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:日銀会合にいつも以上の注目が集まる
昨日のドル/円は一時148円台後半へ急落。米長期金利の上昇を背景に149.85円前後まで強含んでいたが、日銀が金利操作を再修正するとの観測報道が伝わると148.80円前後まで約1円下落した。その後、売りが一巡すると149円台前半にやや値を戻して本日の東京市場を迎えている。
日本経済新聞によると、日銀内では「現在1%としている長期金利の事実上の上限を柔軟にし、一定程度1%を超える金利上昇を容認する案が有力」とのこと。もっとも、日銀のイールドカーブ・コントロール(YCC)再修正が円相場の本格的な反転上昇につながるかどうかは疑わしい。日本経済新聞の報道には詳細がないため断定はできないが、今回の修正にはマイナス金利の解除は含まれない見通しだ。長期金利の許容上限を再び引き上げるだけの「微修正」にとどまれば、結果的に円安に振れた7月会合の二の舞になりかねない。いずれにせよ、日本経済新聞のリーク報道を受けて、本日の正午前後と見られる日銀の政策発表と15時30分から始まる植田総裁の会見には、いつも以上の注目が集まることになりそうだ。
注目の経済指標:日銀金融政策決定会合
注目のイベント:パウエルFRB議長講演
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※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
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経済指標・イベントの結果について
主要な経済指標・重要イベントの結果について、最新情報は外為どっとコムサイトの「経済指標カレンダー」で確認できます。
経済指標カレンダー
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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