主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年11月3日12時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼2日(木)の為替相場
(1):豪貿易収支、黒字幅は予想より縮小
(2):日銀の動向に詳しい関係筋の話が伝わる
(3):独失業率4カ月ぶりに悪化
(4):英中銀2会合連続据え置き
(5):米新規失業保険申請件数、2週連続増加
▼2日(木)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:雇用統計に強い関心/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
2日(木)の為替相場
期間:2日(木)午前6時10分~3日(金)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):豪貿易収支、黒字幅は予想より縮小
豪9月貿易収支は67.86億豪ドルの黒字となり、黒字額は市場予想(95.00億豪ドル)を下回った。輸入が前月比+7.5%と伸びた一方、輸出は-1.4%と減速した。
(2):日銀の動向に詳しい関係筋の話が伝わる
「日銀の植田総裁は、来年のある時期までに超緩和的金融政策から徐々に脱却する意向だ」との一部報道が、政府当局者ら事情に詳しい関係者の話として伝わった。
(3):独失業率4カ月ぶりに悪化
独9月失業率は5.8%と予想通りに前月(5.7%)から上昇。同失業者数は3.00万人増と予想(1.40万人増)を上回り、増加幅は前月(1.20万人増)から拡大した。
(4):英中銀2会合連続据え置き
英中銀(BOE)は大方の予想通りに政策金利を5.25%に据え置いた。声明で「最新の予測からみて、金融政策は長期にわたり制約的な必要がある」「インフレ圧力がさらに持続する証拠があれば一段の引き締めが必要になる」と表明した。同時に公表した議事録では、3人の金融政策委員会(MPC)メンバーが物価上昇圧力が根強いとの見方から0.25ポイントの利上げを主張したことが分かった(6対3で据え置き決定)。その後、ベイリー総裁が会見を行い「利上げが功を奏し、インフレは鈍化している。インフレ率が目標の2%まで下がり続けることを確認する必要がある。今月は金利を据え置いたが、さらなる利上げが必要かどうか注視していく」として「利下げについて考えるのはあまりにも時期尚早だ」と強調した。
(5):米新規失業保険申請件数、2週連続増加
米新規失業保険申請件数は21.7万件と市場予想(21.0万件)を上回り、前週(21.2万件)からやや増加した。同時に発表された米7-9月期単位労働コスト(人件費)指数は前期比年率-0.8%と予想(+0.3%)に反して低下。これを受けて米利上げ終了観測が広がると長期金利の低下とともにドルが下落した。
2日(木)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:ドル続落か反発か、利上げ終了観測広がる中で雇用統計に強い関心
昨日のドル/円は一時150円台を割り込んで反落。1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を受けて利上げ終了観測が広がる中、米新規失業保険申請件数の増加や米7-9月期雇用コスト(単位人件費)指数の低下が伝わると一時149.84円前後まで下落した。ただ、利上げ終了観測を背景に米国株が続伸する中でクロス円が上昇したため円買いに勢いはなく、150円台半ばへと持ち直して取引を終えた。
そうした中、市場の関心は本日のNY市場で発表される米10月雇用統計に集まっている。雇用統計を受けて、これまで堅調を維持してきた米労働市場に減速感が強まればドルは一段と下落する可能性があろう。一方で、雇用統計が今回も堅調なら、米長期金利の持ち直しとともにドルが反発する公算が大きい。ドル/円が150円台を維持できるかどうかは、米10月雇用統計にかかっていると言っても過言ではなさそうだ。なお、米10月雇用統計の主な項目の市場予想は非農業部門雇用者数が18.0万人増(前回33.6万人増)、失業率は3.8%(前回3.8%)、平均時給は前年比+4.0%(前回+4.2)などとなっている。
注目の経済指標:米雇用統計
注目のイベント:特になし
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※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
経済指標・イベントの結果について
主要な経済指標・重要イベントの結果について、最新情報は外為どっとコムサイトの「経済指標カレンダー」で確認できます。
経済指標カレンダー
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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