事業承継のマッチングプラットフォーム「relay(リレイ)」を運営するライトライト(宮崎市)は2023年10月28日に、東京都大田区の羽田PiO PARKで、第三者承継の経験者をはじめ、第三者承継に悩みを抱えている人や起業をしたい人らが情報交換するコミュニティ「relays(リレイズ)」の発足発表会を開催した。
リレイは売り手の名前などの情報をオープンにしたうえで事業承継のマッチングを行うのが特徴で、2020年にスタートし、これまでに約50件の第三者承継を実現してきた。
この過程で第三者承継をする人はまだ数が少なく、悩みを相談する場などがないことが分かったため、第三者承継の成功者の経験談やアドバイスなどを聞ける場として、リレイズを立ち上げることにした。
第三者承継経験者らが実際に集まり会合を開くオフラインのコミュニティと、フェースブックを用いて情報を発信するオンラインのコミュニティの両方を活用し、第三者承継を支援する。
マッチングの次のステップに
発表会では冒頭にライトライト取締役COO(最高執行責任者)の齋藤めぐみさんが、リレイズ発足の背景などについてプレゼンテーションを実施。
この中で齋藤さんは、第三者承継を行った人200ほどにヒアリングしたところ「第三者承継の悩みを誰かと共有したい」「他の人はどうやっているのか知りたい」「自身の第三者承継の経験を伝えたい」「第三者承継をする前に補助金のことなどをもっと知っておけばよかった」などの声が多かったことを紹介。
さらに連携先の自治体などからマッチング後のサポートをしてほしいとの要望が多く寄せられたこともあり、マッチングだけでなく次のステップに進む必要があると判断。
マッチング後の第三者承継の実施や検討で必要となる知識や情報などは、弁護士や税理士らの専門家によるサポートが受けられる制度をすでに用意しており、もう一つの柱として「ソフト的なサポートができるコミュニティとしてリレイズを立ち上げることにした」と、発足の経緯を説明した。
その後の基調講演では、経済産業省中小企業庁事業環境部財務課の越渡一郎係長が「第三者承継の現状、その多様な支援について~M&A・PMI(M&A後の統合作業)・エクイティに関するガイドライン・補助金等各種支援策の概要~」について説明。最後にライトライト代表取締役の齋藤隆太さんがコーディネーターとなり、KOU代表取締役で、ツクルバ共同創業者・取締役の中村真広さんと、水星代表でホテルプロデューサーの龍崎翔子さんの3人が「ローカルで事業を起こすことのリアル」をテーマにトークセッションを実施し、発表会を締めくくった。
文:M&A Online