モーター大手のニデック<6594>は2023年10月24日に、2024年3月期第2四半期の決算説明会を開催し、その席上で永守重信会長は現在進行中の工作機械メーカーTAKISAWA<6121>のTOB(株式公開買い付け)が完了すれば、「大まかな工作機械は全部揃う。あと少し必要なので、それもいずれ買収によって揃える」とし、引き続き工作機械メーカーを買収する考えを示した。

永守会長は、これまでに買収した工作機械メーカーについて「三菱重工さんから買った会社や、その後に買ったOKKは、もともと赤字の会社だった。しかし三菱は2年間で18%の利益が上がっており、OKKも黒字になっている」と発言。

そのうえで、TAKISAWAについては「現状は赤字(2024年3月期第1四半期は3400万円の営業赤字)のようだが、短期で再建して大きな収益を上げていく」とし、傘下に収めた後の経営立て直しに自信を見せた。

M&Aで商材や地域を補完

ニデックの、2024年3月期第2四半期の売上高は前年同期比2.6%増の1兆1606億6200万円で、第2四半期としては過去最高を更新した。

家電の不振や中国EV市場の台数成長率の低下などのマイナス要因はあったが、産業機器やインフラ関連が好調だったのに加え、為替の影響(前年同期比約457億円の増収)もあり増収を達成した。

営業利益は、同20.1%増の1157億8200万円となり、こちらも第2四半期としては過去最高を更新した。構造改革や原価改善などが進んだところに、為替の影響(前年同期比約32億円の増益)が加わり、2ケタの増益となった。

ただ、通期の見通しについては、産業機器やインフラ関連の需要は堅調なものの、IT機器や家電の需要回復に時間がかかるとして、売上高は前年度比1.9%減の2兆2000億円、営業利益は同2.19倍の2200億円とし、当初予想を据え置いた。

工作機械事業については、2031年3月期までにグローバルナンバーワンの総合工作機械メーカーを目指すとの目標を掲げており、「M&Aを駆使して商材や地域を補完し事業規模を拡大する」としている。

M&A Online
(画像=2024/3は予想、「M&A Online」より引用)

3期ぶりに減収減益に

一方TAKISAWAの直近の決算である2024年3月期第1四半期の売上高は54億7900万円で、前年同期比0.6%の減少となった。欧州と台湾で需要が減少したのが響いた。

営業損益は3400万円の赤字(前年同期は1億4200万円の黒字)で、売上高の減少に加え、原材料価格の高騰などで赤字を余儀なくされた。

通期では売上高260億円(前年度比7.1%減)営業利益11億円(同3.4%減)と当初の予想を据え置いた。

同社は2021年3月期に減収営業赤字に陥ったあと、2期連続の増収営業増益となっていたが、2024年3月期は3期ぶりに減収減益となる見込み。

M&A Online
(画像=2024/3は予想、「M&A Online」より引用)

文:M&A Online