回転ずしの「スシロー」や居酒屋の「杉玉」などを展開するFOOD & LIFE CONPANIES<3563>は、今後3年間に905億円を投じ国内外で出店を加速する。
投資額は年平均で300億円ほどとなり、2023年9月の投資実績184億円のおよそ1.6倍に達する。
こうした積極的な出店で3年後の2026年9月期には売上高5200億円(2023年9月期比1.72倍)、営業利益350億円(同3.18倍)を目指す。
同社は売り上げ1兆円企業に成長する目標を掲げており、積極的な投資はこのための布石といえる。ただ、1兆円に到達する時期は未定で、道筋は定まっていない。1兆円を達成する手段として今回のような積極的な投資と並んで、一気に事業を拡大できるM&Aの出番もありそうだ。
杉玉を倍増
FOOD & LIFE CONPANIESは2023年11月10日に、2024年9月期を初年度とする3カ年の中期経営計画を策定し発表した。その中で投資計画を明らかにしたもので、905億円のうち44%に当たる395億円を国内で、残りの56%に当たる510億円を海外で投資する。
国内は主にスシローや杉玉などの新規出店や、既存店のリニューアルなどに充て、海外では中国を中心に米国やインドネシアなどで出店を増やす。
こうした施策で国内の店舗を、2023年9月時点の979店舗から2026年9月には1046~1063店舗に、最大84店舗(増加率8.5%)増やす。
内訳は、スシロ―が641店舗から最大660店舗に19店舗増え、杉玉は79店舗から最大154店舗にほぼ倍増する。
一方、海外は2023年9月時点の135店舗から2026年9月には約3倍の403店舗に拡大する。中でも中国は34店舗から203店舗に6倍ほどに急拡大する。
こうした出店によって海外比率を高めていく計画で、2023年9月時点の22%から2026年9月期に40%強に引き上げる。
さらに同社の水留浩一社長は中期経営計画の発表の場で「1兆円の時代になった時には海外比率は60%ほどになる」とし、将来は国内外の市場規模が逆転するとの考えを示した。
このほか中期経営計画では魚の養殖事業に力を入れる。すでに2022年4月にマダイ養殖の大手企業と共同で新会社を設立し、マダイやハマチなどの養殖を手がけており、今後、種苗や飼料、設備などへの関与を深めていく。
同社では養殖魚は、安全、安心に食べることができ、活魚輸送が可能なため鮮度の良い状態で提供できるとし、現在、仕入れの35%を占めている養殖魚の比率を高めていく計画だ。