外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。

作成日時 :2023年11月29日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

目次

▼28日(火)の為替相場
(1):RBAの追加利上げ観測 やや高まる
(2):ハスケルMPC委員 早期利下げ観測をけん制
(3):米消費者マインドが改善
(4):ウォラーFRB理事 ハト派寄りな発言

▼28日(火)の株・債券・商品市場

▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:上値の重い展開となりそう/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント

28日(火)の為替相場

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期間:28日(火)午前7時10分~29日(水)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム

(1):RBAの追加利上げ観測 やや高まる

豪10月小売売上高は前月比-0.2%と市場予想(+0.1%)に反して減少。これを受けて一時下落した豪ドルは豪中銀(RBA)のブロック総裁の発言でその後持ち直した。総裁は、豪州経済の需要が予想より「わずかに強く」、インフレ圧力が高止まりする要因になっているとの見解を示した。総裁はまた、結果として特にサービス分野のインフレに「かなりの粘着性がある」と指摘。これらの発言を受けてRBAによる追加利上げの観測がやや高まった。

(2):ハスケルMPC委員 早期利下げ観測をけん制

英中銀(BOE)の金融政策委員会(MPC)メンバーであるハスケル氏は「労働市場の逼迫がインフレ圧力を与え続けている」「現在の見通しでは、近い将来に金利が緩和される余地は示唆されていない」「金利は多くの人が予想しているよりも長く、高く維持される必要があるだろう」などと発言。市場の早期利下げ観測をけん制した。

(3):米消費者マインドが改善

米11月消費者信頼感指数は102.0と市場予想(101.0)を上回り、今後6カ月間の見通しを示す期待指数も上昇した。現在の状況について「雇用は十分にある」とする回答の割合も上昇しており、米消費者のマインドが総じて楽観方向へ傾きつつあることが示された。

(4):ウォラーFRB理事 ハト派寄りな発言

米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事は、現在の金融政策について「適切な位置にあるとの確信を深めつつある」とした上で「インフレ率が数カ月間低下を続ければ『利下げ』を始められる」と発言。また、金融環境については、前回の連邦公開市場委員会(FOMC)以降に緩んだものの、全体的には依然としてより引き締まった状態にあるとの見解を示した。これ受けて短期ゾーンを中心に米長期金利が急低下するとドルの下落が加速した。他方、ボウマンFRB理事は「インフレの進展が停滞している、あるいは時宜を得てインフレ率を2%の目標まで低下させるのに不十分であることがデータで示されれば、将来の会合で『利上げ』を支持する立場に変わりはない」と述べた。

28日(火)の株・債券・商品市場

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ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)

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人気通貨ペア 本日の予想レンジ

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ドル/円の見通し:上値の重い展開となりそう

昨日のドル/円は米長期金利の低下を受けて147円台へと続落。欧州市場では148.80円台へと持ち直す場面もあったが、NY市場に入り米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事が「数か月後の利下げ」の可能性に言及すると147.33円前後まで急落した。金融政策に敏感な米2年債利回りは前日比15bp(0.15%)超もの大幅低下となり、約3か月半ぶりに4.73%前後を付けた。米金利先物は来年3月の25bp利下げを4割弱、5月の利下げを6割強織り込んでおり、ドルは本日も利下げ観測を重しに上値の重い展開となりそうだ。
ドル/円は、チャート上の下値ポイントとして意識されている21日安値147.15円前後を下抜ければ下げが加速する可能性もあろう。もっとも、米利下げについてはウォラー理事の発言がFRBの総意というわけでもなさそうだ。ボウマンFRB理事は昨日の講演で、インフレの低下が不十分なら「利上げ」を支持する考えに変わりはないと述べている。ウォラー理事の利下げ発言についても、「インフレが一段と低下すれば」との前置きがあってのものだった。市場には、明日30日に発表される米10月個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)の結果を見きわめたいとのムードも広がりそうだ。

注目の経済指標:米GDP・改定値

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注目のイベント:ベイリーBOE総裁講演

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経済指標・イベントの結果について

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経済指標カレンダー

神田 卓也
神田 卓也(かんだ・たくや)
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。

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