主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年11月30日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼29日(水)の為替相場
(1):豪月次CPI予想を下ブレ
(2):ベイリーBOE総裁 あらためて早期利下げ観測をけん制
(3):ドイツCPI 伸びが鈍化
(4):米GDP 速報値から上方修正
(5):FRB当局者の発言相次ぐ
▼29日(水)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:ドルが一段安となる可能性も/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
29日(水)の為替相場
期間:29日(水)午前7時10分~30日(木)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):豪月次CPI予想を下ブレ
豪10月消費者物価指数(CPI)は前年比+4.9%と市場予想(+5.2%)を下回り前月(+5.6%)から大きく鈍化した。これを受けて豪中銀(RBA)による追加利上げ期待が後退すると豪ドルは一時下落した。
(2):ベイリーBOE総裁 あらためて早期利下げ観測をけん制
英中銀(BOE)のベイリー総裁は「BOEは現在利下げについて議論する立場にない」「インフレ率が2%に達するという十分な証拠はまだ得られておらず、確信も持っていない」などと発言。あらためて市場にくすぶる早期利下げ転換の思惑をけん制した。
(3):ドイツCPI 伸びが鈍化
独11月CPI・速報値は前年比+3.2%と市場予想(+3.5%)を下回り前月(+3.8%)から伸びが鈍化。欧州連合(EU)基準のCPIも前年比+2.3%と前月(+3.0%)から大幅に減速し予想(+2.5%)を下回った。
(4):米GDP 速報値から上方修正
米7-9月期国内総生産(GDP)・改定値は前期比年率+5.2%と速報値(+4.9)から上方修正。市場予想(+5.0%)を上回った。米7-9月期個人消費・改定値は前期比+3.6%だった(予想、速報値ともに+4.0%)。
(5):FRB当局者の発言相次ぐ
米クリーブランド連銀のメスター総裁は「金融政策は、経済と金融情勢に関する今後のデータを評価し、インフレ率が適時に2%に戻る軌道を確保するよう調整されているかどうか判断するのに良い位置にある」と述べて、12月の追加利上げ見送りを支持する考えを示唆した。一方、これより前にバーキン米リッチモンド連銀総裁は「インフレが2%に向け軌道に乗っているかどうかは懐疑的」「追加利上げの可能性を排除するつもりはない」「利下げについて議論するのは時期尚早」と発言した。
29日(水)の株・債券・商品市場
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:ドルが一段安となる可能性も
昨日のドル/円は一時2カ月半ぶりに146円台へと下落。米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ打ち止めと来年前半の利下げ開始を巡る観測が強まる中、146.66円前後まで続落して9月12日以来の安値を付けた。一巡後は戻り歩調となり米7-9月期国内総生産(GDP)・改定値の上方修正を受けて147.91円前後まで反発したが、米長期金利が低下する中でドル買いは続かなかった。NY市場終盤にかけて再びドル売りに傾くと、前日比約0.2%安の147.21円前後で取引を終えた。
昨日は米クリーブランド連銀のメスター総裁が「政策金利の水準は良い位置にある」として追加利上げは不要との考えを示唆。前日のウォラーFRB理事に続いて、タカ派と見られていた同総裁も引き締め過ぎへの警戒を隠さなかった。市場の関心はパウエルFRB議長が明日の講演で、来年前半の利下げ開始をほぼ織り込んだ現状を追認するかに向かっている。
その前に、本日はFRBがインフレ指標として注目する米10月個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)が発表される。市場は前月からの鈍化を見込んでおり、予想以上に鈍化するようならドルが一段安となる可能性もあろう。
注目の経済指標:米PCEデフレーター
注目のイベント:ラガルドECB総裁講演
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経済指標・イベントの結果について
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経済指標カレンダー
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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