主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年12月6日8時20分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼5日(火)の為替相場
(1):RBAは金利据え置き 豪ドルは下落
(2):シュナーベルECB専務理事ハト派発言
(3):米格付け会社 中国の格付け見通しを引き下げ
(4):JOLT求人件数 21年3月以来の低水準
▼5日(火)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:ドルの値動きは決め手を欠く/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
5日(火)の為替相場
期間:5日(火)午前7時10分~6日(水)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):RBAは金利据え置き 豪ドルは下落
豪中銀(RBA)は大方の予想通りに政策金利を4.35%に据え置いた。声明では、引き続き「インフレ率が合理的な時間枠内で目標に戻ることを確実にするために金融政策の追加引き締めが必要になるかどうかはデータとリスク評価の展開次第だ」として追加利上げに含みを持たせた。ただ、「経済の総供給と総需要との間に一段と持続的なバランスをもたらす上で、金利上昇が効果を発揮している」との見解を示したことなどから、追加利上げ観測が後退。豪長期金利の低下とともに豪ドルは下落した。
(2):シュナーベルECB専務理事ハト派発言
欧州中銀(ECB)のシュナーベル理事は「追加利上げの可能性は低くなった」と述べた上で、来年半ばまでの利下げについて「データ次第」で「なにが起きるか見極めなければならない」との見解を示した。タカ派で知られる同理事のハト派発言にユーロは売りで反応。ただ、一巡後は仏・独・ユーロ圏の11月サービス業PMI・改定値が速報値から上方修正されたことを受けて持ち直した。
(3):米格付け会社 中国の格付け見通しを引き下げ
格付け会社ムーディーズは中国の信用格付け見通しを「安定的(ステーブル)」から「ネガティブ」に引き下げた。長期格付けの「A1」は据え置いた。中国の景気先行き懸念から香港株(ハンセン指数)や上海株(総合指数)が大きく下落したことも相まって豪ドルは続落した。
(4):JOLT求人件数 21年3月以来の低水準
米10月JOLT求人件数は873.3万件と市場予想(930.0万件)を下回り、2021年3月以来の低水準となった。10月雇用統計を基にすると失業者一人当たりの求人は1.34件で、依然として高水準ながらも6カ月連続で減少した。米労働市場の過熱が収まり賃金インフレの緩和が示唆されたとの見方から米長期金利が低下するとドル売りに傾いた。ただ、同時に発表された米11月ISM非製造業景況指数が52.7と市場予想(52.3)を上回ったこともあってドル売りは続かなかった。
5日(火)の株・債券・商品市場
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:ドルの値動きは決め手を欠く
昨日のドル/円は方向感を欠く展開。米10月JOLT求人件数が予想を下回ると146.57円前後まで下落したが、米11月ISM非製造業景況指数の上昇もあってドルの下値は堅かった。タカ派で知られる欧州中銀(ECB)のシュナーベル理事が早期利下げの可能性を排除しなかったことでユーロが下落する中、相対的にドルが上昇したため147.39円前後まで切り返した。ただ、米長期金利の低下を受けて147円台では伸び悩み、ほぼ横ばいの147.10円台で取引を終えた。
JOLT求人件数の減少で米労働市場の減速が意識された半面、8日の11月雇用統計では自動車業界のストライキ終結による雇用者数の増加が見込まれていることから、ドル売りにもドル買いにも傾きにくかったようだ。本日は米11月ADP全国雇用者数が発表されるが、引き続きドルの値動きの決め手にはなりにくいだろう。市場には徐々に雇用統計待ちのムードが広がると見られ、ドル/円は本日も147.00円を挟んだもみ合いが続きそうだ。
注目の経済指標:米ADP雇用統計
注目のイベント:英金融安定報告書
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経済指標・イベントの結果について
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経済指標カレンダー
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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