主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年12月11日8時50分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉
目次
▼8日(金)の為替相場
(1):本邦7-9月期GDPは下方修正
(2):円買い強まる
(3):米雇用統計は良好な結果
(4):米期待インフレ率が大幅低下
▼8日(金)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:下値リスクに警戒/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
8日(金)の為替相場
期間:8日(金)午前7時10分~9日(土)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):本邦7-9月期GDPは下方修正
日本7-9月期GDP・改定値が前期比-0.7%(速報値-0.5%)へ下方修正された。
(2):円買い強まる
前日の植田日銀総裁の発言を受けて、日銀の金融政策修正への期待から本邦10年債利回りが上昇。全般的に円買いが優勢となり、ドル/円は142.49円前後まで下落した。クロス円もドル/円の下落につれてこの日の安値をつけた。
(3):米雇用統計は良好な結果
米11月雇用統計は非農業部門雇用者数が19.9万人増と市場予想(18.5万人)を上回ったほか、失業率は3.7%と市場予想や前月(ともに3.9%)から低下。平均時給は前月比が+0.4%で予想や前月(+0.3%、+0.2%)を上回った。一方で、前年比は+4.0%で予想や前月から横ばいとなった。米労働市場の底堅い結果を受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利下げ期待が後退し、ドル/円は一時145.20円前後まで上昇した。
(4):米期待インフレ率が大幅低下
米12月ミシガン大消費者信頼感指数は69.4と市場予想や前月(62.0、61.3)を大幅に上回った。ドル/円は構成指数の一つである1年先のインフレ期待が3.1%と市場予想や前月(4.3%、4.5%)を大幅に下回ったことで一時143.85円前後まで下落したが、下値は限定的だった。
8日(金)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:下値リスクに警戒
8日のドル/円は終値ベースで約0.6%上昇。東京時間に一時142.49円前後まで下落したが、本邦10年債利回りが上昇幅を縮めたことで買い戻しが入った。 NY市場では米11月雇用統計の良好な結果を受け、米国の早期利下げ観測が後退し一時145.20円前後まで上昇した。 ただ、その後発表された米12月ミシガン大消費者態度指数の1年先インフレ期待の大幅低下などが上値を抑える格好となった。
市場の注目がアメリカの利下げ開始時期に向いている。今週は12日に米11月消費者物価指数(CPI)、13日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が控えており、結果を見極めたいとの意向から様子見ムードが強まっている。
もっとも、日銀の政策変更への期待から円が買われやすい状態となっており、下値リスクにも気を配る必要がありそうだ。
注目の経済指標:特になし
特になし
注目のイベント:米債入札
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※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
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経済指標・イベントの結果について
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経済指標カレンダー
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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