M&A Onlineが大量保有データベースで2023年11月の大量保有報告書などの提出状況を調べたところ、麻生が石炭事業を展開する住石ホールディングス株を10度(合計22.29%を取得)買い増し、保有割合を41.28%に高めたことが分かった。
麻生は福岡県飯塚市に本社を置く医療関連事業や建設コンサルティング事業などを手がける企業で、住石ホールディングス株については、2019年8月に5.72%を新規取得し「安定株主として長期にわたり保有する予定」していた。
その後同じ月に4度買い増し保有割合を一気に10.18%に高めたあとは3年ほど、大量保有報告書の提出はなく、2022年7月に再び2度買い増し、保有割合を18.99%に引き上げていた。
住石ホールディングスは、石炭の輸入販売のほか、人工ダイヤなどの先端素材の製造販売などを手がけており、2024年3月期は売上高196億円、営業利益58億円を見込んでいる。
志太ホールディングスなどがシダックスの保有割合を50%強に
このほか10月は、大手モーターメーカーのニデックが、工作機械メーカーTAKISAWAに対して実施していたTOB(株式公開買い付け)が2023年11月に終了し、ニデックがTAKISAWA株の83.65%を取得したほか、野村証券が7.59%売却し保有割合を1.51%に引き下げ、JPモルガン証券も3.21%を売却し保有割合を1.92%に引き下げた。
また2023年11月10日に、MBO(経営陣による買収)で株式を非公開化すると発表したシダックスについては、創業家の資産管理会社の志太ホールディングスがTOB(株式公開買い付け)を実施、11月13日から買い付け(買付期間は2023年12月 25日まで)を始めた。
買付開始前の11月10日には志太ホールディングスをはじめ、シダックスの30%近くを所有する筆頭株主のオイシックス・ラ・大地などが共同保有者として株式を買い増し、保有割合を50%強に引き上げた。
スノーピークやサーティワンに売り
キャンプ用品を手がけるスノーピークに関して、米国の投資運用会社のキャピタル・リサーチ・アンド・マネージメント・カンパニーが4度売却(合計7.19%)し保有割合を5.39%に引き下げたほか、アイスクリーム店「サーティワン」を展開するB-R サーティワン アイスクリームについては、不二家が3.1%売却し保有割合を83.46%とした。
2023年11月の大量保有報告などの提出件数は909件で、このうち保有割合を増やしたのは230件、新規保有が156件、保有割合を減らしたのが456件、契約の変更などが67件だった。
文:M&A Online