主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年12月14日8時40分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼13日(水)の為替相場
(1):日銀短観 大企業DIは3四半期連続で上昇
(2):英月次GDP 予想を下回る
(3):米PPI 予想を下回る
(4):FOMC 政策金利見通しで3回の利下げを予測
(5):パウエル議長会見でドル/円続落
▼13日(水)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:上値の重い展開が見込まれる/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
13日(水)の為替相場
期間:13日(水)午前7時10分~14日(木)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):日銀短観 大企業DIは3四半期連続で上昇
日銀短観は大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)が12と、市場予想(10)を上回り3四半期連続で上昇。大企業非製造業DIは30と1991年以来の高水準だった。企業の事業計画の前提となる2023年度の想定為替レートは全規模全産業で1ドル=139円35銭と9月調査の135円75銭から円安方向に修正された。
(2):英月次GDP 予想を下回る
英10月国内総生産(GDP)は前月比-0.3%と市場予想(-0.1%)を下回った。同鉱工業生産は前月比-0.8%と予想(-0.1%)以上の落ち込みとなり、同貿易収支も170.32億ポンドの赤字と、赤字額は予想(143.50億ポンド)を上回った。
(3):米PPI 予想を下回る
米11月生産者物価指数(PPI)は前年比+0.9%と市場予想(+1.0%)を下回った。食品とエネルギーを除いたコアPPIも前年比+2.0%と市場予想(+2.2%)を下回った。
(4):FOMC 政策金利見通しで3回の利下げを予測
米連邦公開市場委員会(FOMC)は大方の予想通りに政策金利を5.25-5.50%に据え置いた。声明文に劇的な変化はなかったが、同時に公表した経済見通しで2024年末のインフレ率予測を2.4%、25年末を2.1%へそれぞれ0.1ポイント引き下げた。その上で、政策金利見通しでは利上げがすでに終了したことを示唆。さらに、2024年末までに75bp(0.75%ポイント)の利下げを実施するとの予測を示した。
(5):パウエル議長会見でドル/円続落
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長はFOMC後の会見で「インフレは緩和したものの、依然として高すぎる」として「追加利上げの選択肢を外す用意はない」と発言。ただ、利下げについて「視野に入り始めており、実社会で話題になっているのは明白だ。今回のFOMCでも議論した」と明言した。また、「FOMCは(高金利)を長引かせるリスクを認識している」とも述べて、景気後退に警戒感を滲ませた。これを受けてドル/円は続落。クロス円はストレートドルの上昇に支えられたものの、ドル/円の下げ幅が大きかったためつれ安した。FOMC後の株高で一時上昇していた豪ドル/円も、最終的に下落した。
13日(水)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:上値の重い展開が見込まれる
昨日のドル/円は米連邦公開市場委員会(FOMC)後に急落。FOMCは大方の予想通りに政策金利を5.25-5.50%に据え置いた一方、同時に発表した政策金利見通しで来年の利下げペースが速まるとの予測を示した。さらに、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が会見で、利下げ開始のタイミングについて議論したことを明かすと米長期金利が急低下。ドル/円は欧州市場序盤に付けた高値145.98円前後から3円超安い142.65円前後まで大幅に下落した。パウエル議長は市場の利下げ観測をけん制するであろうとの読みも少なくなかっただけに、多くの参加者にとって想定外のハト派サプライズとなったようだ。米2年債利回りは30bp(0.30%ポイント)超低下しており、米金利先物は来年3月の利下げ開始を8割がた織り込んだ。本日のドル/円は上値の重い展開が見込まれ、200日移動平均線(142.50円前後)の攻防が焦点となりそうだ。
注目の経済指標:BOE、ECB政策金利
注目のイベント:ラガルドECB総裁講演
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経済指標・イベントの結果について
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経済指標カレンダー
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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