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(画像=バヅクリ株式会社)
佐藤 太一(さとう たいち)
バヅクリ株式会社代表取締役社長 CEO
チェンジ、DeNA、アクセンチュアで組織/人材開発、事業戦略、M&A経験後、2014年みんなのウェディング経営企画部⻑・IPO室⻑として東証マザーズに上場。同時期にプレイライフ株式会社を創業し月間利用者400万人を 記録。コロナを機に社内コミュニケーション/エンゲージメントサービス「バヅクリ」を立上げ。VUCA時代で成⻑する人材と組織を開発する200以上の研修/ワークショップを開発し、大手企業700社以上で導入を経験。
バヅクリ株式会社
バヅクリは組織開発と人材育成において、エンゲージメント向上、多様性推進、離職率低下などに関して研修/ワークショップおよびエンゲージメントサーベイを提供し、組織状態の可視化と、現場を巻き込んだアクションプランの実行を支援します。VUCA時代に合った最新かつ実践的な学びを通じて、自律型人材や変革人材の育成に取り組みます。高い学習定着とチームビルディングを通じて、行動変容を促進し、組織と個人の成功をサポートします。

1.これまでの事業の変遷について教えてください。

当社は2013年に創業し、遊びをテーマにした、ユーザー数400万人を超えるメディア「PLAYLIFE」と遊びのプロ50人と遊び学べるコミュニティ「遊部」の二つの事業を通して、「何をして遊ぶのか」と「誰と遊ぶのか」の2軸でサービス提供をしていました。その後、コロナによりオフラインでのコミュニケーション機会が激減したことをきっかけに、遊びを軸にしたオンライン中心のBtoB事業にシフトし、「バヅクリ」というサービスをスタートさせました。当時、オンラインでの企画・ファシリテーション能力があまり高くない企業が多い中、心理的安全性を担保しつつも深い相互理解に繋がる体験提供のノウハウを生かした内定者フォローやイベント、そして、アクティブラーニング×チームビルディング×行動変容を核とした研修サービスの提供を始めました。加えて現在では、エンゲージメント課題を解決するためのサーベイ、組織コンサルティング、研修、ワークショップを一気通貫で提供しています。

2.一番感銘を受けた書籍とその理由は?

私が影響を受けた書籍は『燃えよ剣』(著:司馬遼太郎)です。この本は、新選組副長である土方歳三の生き様が描かれた歴史小説で、小学生から現在に至るまで愛読しています。一見すると単なる力勝負に思える喧嘩や戦いに限ったストーリーに思えますが、ゴールから逆算して取るべき手段をロジカルに考え実践する土方歳三の発想の転換、その考え方や戦略がビジネスにも十分に活かすことができる点に共感を覚え、学ぶことが多かったため、この本を取り上げました。例えば、土方歳三の言動として、喧嘩前にシュミレーションを怠らない点、指揮官としてメンバーに無理をさせずに確実に勝てる戦い方を遂行する点、リスクヘッジとして脱出経路を予め確保しておく点などは、ビジネスにおいてもそれぞれ非常に重要な点だと捉えています。

3.読書はどのように仕事に生かせたでしょうか。

『燃えよ剣』からは先に触れた例に加え、様々な考え方や戦略を学び、仕事をする上で活かすことができていると考えています。例えば、本書では「地形を制するものは喧嘩を制する」と言われており、土方歳三も喧嘩前に十分な下見をしていたそうです。ビジネスに置き換えると、サービス提供にあたって、出たとこ勝負ではなく、競合や市場などを含めた状況及び環境を考え抜き分析することが重要であることだと捉えています。他にも、土方歳三は常に脱出経路を確保していたそうですが、これは引き際の重要性を示唆しており、サービス提供のテストマーケティングにおいても同様のことが言えると考えています。

4.経営において重要としている考え方を教えてください。

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経営において重要視している点は二つあります。一つ目は、再現性です。短期目線での瞬間的な売上拡大を狙うのではなく、長期目線で来年、再来年、その先まで続くのかどうかを意識しています。二つ目は、理想と想いのバランスです。サービス提供にあたっては、お客様のニーズに即した理想と我々の想いのバランスを取ることが重要だと考えていて、そのために、客観的に見て業界内で1.5歩先を進むようなサービスかどうかを意識しています。2歩先のモノやサービスだとお客様はついて来ることができず、逆に1歩先だと置いて行かれてしまいます。もちろん永久的な改善は必要であるという前提のもと、常に業界内やお客様のニーズを先読みし、1.5歩先のサービスであるかどうかを重要視しています。

5.最後に、御社の未来構想や従業員への期待について教えてください。

組織に明るい光を差し込み、イキイキとした組織を増やしていきたいと考えています。古くから日本を支えてきた製造業界や金融業界は、ある程度ビジネスモデルが出来上がってしまい、個人裁量権が比較的少ないことが実態です。そして、その中では、自己成長ややりがい、心理的安全性を高めていきたいという思考は生まれにくいと考えています。そのような組織を救うために「バヅクリ」を提供していきたいと考えています。

従業員に対しては、自分なりの信念やプライドを持って働いてほしいと考えています。ただなんとなく働くのではなく、自分の仕事がどのように社会やお客様に影響するのか、成長曲線をどのように描いていくのかなど、自分なりに考え行動を起こしてほしいと思います。そして、その必死に考えた行動から感動が生まれ、その積み重ねが世の中にとっての価値に繋がると考えています。

氏名
佐藤 太一(さとう たいち)
会社名
バヅクリ株式会社
役職
代表取締役社長 CEO