主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年12月19日8時20分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼18日(月)の為替相場
(1):IFO「ドイツ経済は依然として弱い」
(2):早期利下げ観測へのけん制発言 相次ぐ
(3):ECB当局者「慎重さが鍵になる」
▼18日(月)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:日銀の発表に強く反応する公算/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
18日(月)の為替相場
期間:18日(月)午前7時00分~19日(火)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):IFO「ドイツ経済は依然として弱い」
独12月IFO企業景況感指数は86.4と市場予想(87.7)に反して前月(87.2)から低下。IFO経済研究所は「現在の業況に対する企業の満足度は低下した」として「来年上期について、企業は懐疑的な見方を強めた。年末を迎えるにあたり、ドイツ経済は依然として弱い」との見解を示した。
(2):早期利下げ観測へのけん制発言 相次ぐ
米クリーブランド連銀のメスター総裁は、来年早期の利下げを織り込んだ市場の動きに関し、政策の正常化について「少し先走っている」とけん制。また、自身は来年25bp(0.25%ポイント)の利下げを3回と予想する当局者の一人だと明かした。その後、米シカゴ連銀のグールズビー総裁も、先週当局が公表した四半期予測に対し、市場が示した反応に「困惑している」と述べた。
(3):ECB当局者「慎重さが鍵になる」
ベルギー中銀のウンシュ総裁はユーロ圏の20カ国で賃金上昇率が5%を上回っていると指摘。その上で「(利下げを議論する前に)賃金が2%のインフレ目標に構造的に相容れる水準へと移行する明確な示唆が必要だ」と述べた。これより前には、スロバキア中銀のカジミール総裁も「早すぎる金融緩和という政策の誤りは、緩和的な政策を長すぎる期間にわたり維持することのリスクよりも重大だ」とし「慎重さが鍵になる」と述べた。
18日(月)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:日銀の発表に強く反応する公算
昨日のドル/円は終値ベースで約0.4%上昇。NY市場では一時143円台を回復し、143.16円前後まで上昇する場面があった。この日は円が幅広く売られており、日銀の金融政策発表を前に持ち高調整の円売りが出たと見られる。
日銀は本日、マイナス金利の解除を見送り大規模金融緩和の継続を決めるとの見方が大勢。一方で、市場の一部には次回1月会合でのマイナス金利解除に向けてなんらかの「地ならしを」行うとの見方もくすぶっている。こうした中、仮に声明文から「粘り強く金融緩和を継続していく」、「躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる」などの文言が削除されれば、事実上の出口戦略開始宣言となり得る。もっとも、日銀が特に気にする賃上げの動向については来年の春闘がカギになることから、現時点で日銀が出口戦略の開始を宣言する可能性は低いと見るのが自然だろう。
いずれにしても、市場は本日の日銀の金融政策発表を今年最後のビッグイベントと位置付けており、円相場は日銀の発表に強く反応する公算が大きい。なお、為替オプション市場のドル/円翌日物予想変動率(インプライド・ボラティリティ)は昨日、35%台に急拡大した。先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)における24%台を大きく上回っており、市場の警戒感の強さを物語っている。
注目の経済指標:日銀金融政策決定会合
注目のイベント:植田日銀総裁定例記者会見
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経済指標・イベントの結果について
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経済指標カレンダー
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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