ラーメン業界で業績にばらつきが生じてきた。「ラーメン山岡家」を展開する丸千代山岡家<3399>は2023年12月11日に、2024年1月期の業績予想を上方修正し、売上高を4.1%、営業利益を80.0%上積みした。
すでに「一風堂」を運営する力の源ホールディングス<3561>は2023年11月に、2024年3月期の業績予想を上方修正しており、売上高を11.1%、営業利益を22.0%引き上げている。
一方、「幸楽苑」を運営する幸楽苑ホールディングス<7554>は2023年11月に、2024年3月期の業績について、売上高を1.9%引き上げたものの、営業利益は75.0%引き下げた。
「町田商店」などを展開するギフトホールディングス<9279>は2023年10月期の当初予想を据え置いたままだ。
新型コロナ感染症の5類移行に伴い、人流の回復やインバウンド(訪日客)の増加などが顕著になってきており、ラーメン業界でも来店客数は増加傾向にある。業績がまちまちな各社の状況を見てみると。
山岡家は利益が3倍ほどに拡大
丸千代山岡家は、月次の来店客数が前年同月比130%台を維持しており、既存店売上高が 19カ月連続で前年実績を上回ったことから、2024年1月期の売上高を当初予想より10億円多い255億円(前年度比36.5%増)に修正した。
利益面でも2023年10月に一部商品を値上げしたことから10月の各利益が単月で過去最高を更新しており、2024年1月期の営業利益を8億円多い18億円(同3.50倍)に引き上げた。
経常利益は18億5000万円(同3.17倍)、当期利益は11億5000万円(同2.77倍)といずれも3倍前後の増益となる。
力の源ホールディングスは人流の回復や、インバウンドの増加、堅調な海外事業、円安の影響などを理由に、2024年3月期の売上高を31億3900万円多い315億円(同20.6%増)に、営業利益を5億6000万円多い31億円(同35.9%増)にそれぞれ修正した。
幸楽苑は売り上げの回復に遅れ
一方、幸楽苑は、売り上げの回復が遅れているのに加え、原材料費、光熱費、物流費の高騰、さらには人手不足による人件費の上昇などにより、2024年3月期の営業利益を1億5000万円少ない5000万円(前年度は16億8700万円の赤字)に引き下げた。
黒字化を見込んでいた経常損益は1億5000万円の赤字(前年度は15億2800万円の赤字)に、同じく黒字化を見込んでいた当期損益は1億5000万円の赤字(同28億5800万円の赤字)に陥る見通しだ。