「R33GT-R用のヘッドライトがないんです」。日産スカイラインR33GT-Rのオーナーで、VELENOがオフィシャルスポンサー契約を結ぶ、松田次生選手からの相談により実現した「R33GT-R後期型LED化用ヘッドライトユニット」。その制作の舞台裏を「VELENO」ブランドを運営する、株式会社REIZの代表弓英樹氏に聞きました。文・CarMe編集部/写真・VELENO※この記事には広告が含まれます
企画の始まりは”GT-Rオタク”松田次生の一言から始まった
日産スカイラインGT-R(BCNR33型)(以下、R33GT-R)は、1995年から1998年まで製造・販売されたいわゆる第2世代GT-Rで、近年の中古車市場では、1000万円以上の金額が付くほどの高額な車両となっています。
そんな高額なスポーツカーとなってしまったR33GT-Rではありますが、パーツ市場に目を向けてみると、エンジン関係や駆動系のパーツは豊富にあるように見えますが、ヘッドライトなどの外装系のパーツは少なく、BCNR33ヘッドライトとハウジングに関しては製造廃止となっています。
その事を知っていたR33GT-Rのオーナーである、松田次生が「R33GT-R用のヘッドライトのパーツがなく、オーナーの皆が困っているんです」とVELENOの弓氏に話を持ち掛けました。
その話を聞いた弓氏は「確かに、日本の90年代のスポーツカーのパーツ市場を見てみると、パーツが多く供給されている車両もあれば、そうではなかった車両もあるようです。
R33GT-Rの人気の高ぶりはここ数年での出来事と推察しているので、パーツの供給が少ない車両だったのかもしれません」と語ります。
弓氏も一人の車好きであり、VELENOと松田次生選手の関係性は強固なものです。そこで、弓氏は「他が作っていないのならば、作りましょう」と松田次生選手の相談に対し、ヘッドライトユニットを製作するということで返答をしました。
制作期間は約1年!?R33GT-R後期型LED化用ヘッドライトユニットの開発ポイントとは?
続いて、弓氏から開発の流れを伺いました。「今回の開発では、リバースエンジニアリングという開発手法を取り入れました。松田次生選手の愛車、R33GT-Rが開発車両ということもあり、松田さんの愛車から純正の後期型ヘッドライトを元に設計し3Dプリンターで出力。
実際に松田さんの愛車にフィッティングをして完成という流れになりました。リフレクターのキラキラした感じや質感、フィッティングの良さは抜群と自負しています。また、後期型という点については、市場リサーチの上、後期型をチョイスしています。」
*前期型のR33GT-Rでも小さな加工で今回の製品は装着可能とのこと
続けて話を伺うと、今回の製品には”あえて”VELENOの刻印を消している”ことと、LEDバルブを今回のユニットではLEDバルブは別売りである点に驚かされました。
「今回の製品には、VELENOの刻印を消しています。それは、純正パーツが製造廃止となっていることで、R33GT-Rのオーナーの方々が困っている事を解決したいという思いが強いからです。
弊社の製品であることは二の次で、たまたま弊社の製品だったという程度で知って頂ければ良いんです。
また今回は、LEDバルブは別売りとなっています。それは、オーナーの方が好きなブランドを使って欲しいということで別売りとさせて頂きました。
今回の製品を買って頂く方が、VELENOのファンであって頂ければ嬉しいですが、今まで使ったことなかったけど、VELENOの製品、買ってみようかな?と思って頂ければそれで十分なんです。」と弓氏は語ります。
松田次生も大絶賛!R33GT-R後期型LED化用ヘッドライトユニットの特徴とは?
さらに、弓氏は「今回の製品に関しては、現代の主流であるLED向けに設計をしています。見た目は純正とほぼ同じですが、成型技術は2023年仕様となっているので、ワンランク上の印象を与えられているのではと思っています。
プロジェクターヘッドライトはLED専用設計で、明るいLEDが存在しないH1形状のハイビームですが、H11に変更され、無加工で装着が可能です。」
LEDライトのメリットとしては、紫外線が微量なため、ヘッドライトカバーが内側から劣化しにくく、長くお使いになって頂けると思います。また、この製品は、当然のことながら車検対応となっています。
車検といえば、2024年8月1日以降は、1998年9月1日以降に製作された自動車(二輪車、側車付二輪車、大型特殊自動車及びトレーラを除く)全車、ロービーム計測のみで基準適合性審査が実施されます。
この事により、第二世代のGT-Rも対象になる車両も存在するため、今後、オーナーの方にはヘッドライトの見直しをしないといけない場合も増えてくるかと思います。」と語ります。
*1998年8月31日以前の製作車はこれまで通りハイビームで検査されます。
*今回の製品のLEDバルブは、H8、H11、H16が使用可能です。
”企画の発案者”松田次生選手のコメント
松田次生選手のコメント(原文ママ)
ヘッドライトユニットは生産廃止となって困っているオーナーさん続出で、僕もその一人でした。GT-R愛を持っているオーナーからすると良い車を長く乗り続けたいと思う気持ちはみんな同じで゛、破損したらどうしようという気持ちでした。
また、黄ばみや汚れが経年劣化でひどくなっても交換ができず諦めていたところライトのプロ、VELENOさんに相談したところ開発してくれることに!
Eマークも取得済みで車検も対応、ライトはロービームか゛HIDからLEDに変更され、バルブ形状も「H8/11/16」が適合するようになっています。完成品装着の日、僕も立ち会いましたが、ヘッドライトか゛変わるだけで見た目が大幅にアップ!周囲の部品も綺麗にしたくなってきましたね。
フィッティング、見た目は本当に素晴らしいですね。路面照射力が大幅にアップして夜のドライブの安心感も増しています。乗らずに保管しているというオーナーさんもいらっしゃると思いますが、僕はガンガン乗る派です。
見た目の美しさとフィッティング、何よりも部品がないという部分の心配が解消されるという部分は大きいですね。
”パーツが無くて走れないはもったいない”VELENO弓氏の熱い思いと今後の展開とは?
今後の展開に関しても弓氏に伺いました。「今回のR33GT-R用のLEDヘッドライトユニットに関しては、松田次生さんと弊社の関係性があったからこそ実現した企画にはなりますが、
改めてR33GT-Rだけでなく、日本の90年代のスポーツカー全体に目を向けてみると、パーツが無くて悩んでいるユーザーが多くいることに気付かされました。
我々としても日本の往年のスポーツカーがパーツが無くて”日本の街を走れない”という不条理には、なるべく立ち向かっていきたいと考えていますので、
次は、スカイラインGT-R(BNR34型)用のヘッドライトユニットの制作をしようとしているところです。今後も状況を見ながら、他の車種にもトライしてみたいと思っています。」
今回の「R33GT-R後期型LED化用ヘッドライトユニット」に関しては200セットのみの生産とし、追加の入荷予定は現状ないとのことです。
ライトは公道を走る上で重要なパーツの一つ。パーツが無くて、日本の街から往年のスポーツカーが走る姿を見れなくなるのは悲しいという、VELENO弓氏の熱い思いに胸をうたれました。
今後のヘリテッジカーのライト復刻企画に大いに期待したいところです。
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商品価格 \?495,000(税込)