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(画像=株式会社タイムマシン)
岡田 卓也(おかだ たくや)
株式会社タイムマシン取締役社長 
1988年生。
2010年アルバイトスタッフとしてe☆イヤホン勤務。
2011年株式会社タイムマシン入社。
2013年PR担当就任。
2015年執行役員就任。
2021年取締役就任。
2023年4月取締役社長就任。過去にTBS『マツコの知らない世界』に3回出演。
株式会社タイムマシン
株式会社タイムマシンが運営する『e☆イヤホン』は、日本初にして日本最大級のイヤホン・ヘッドホン専門店です。全国に4店舗(秋葉原店、大阪日本橋本店、名古屋大須店、仙台駅前店)とWeb通販を展開。2023年3月にはゲーミングに特化した店舗「ゲーミングAKIBA」をオープン。また、専門店だから実現できる中古品の販売と高価買取にも力を入れております。 約2,000ブランド、約25,000点のイヤホン・ヘッドホンを品揃え 店舗では全ての製品を自由にご試聴いただけます。

社⻑のこれまでの変遷について

私の経歴についてお話しますと、学生時代は中京大学で経営学について学び、夏休みに簿記や宅建などの資格取得に力を入れてきました。その頃から、集中するための手段としてイヤホンを使用することが多くなり、趣味としてイヤホンを集めるようになりました。この経験が後に、私が当社でイヤホンの販売に携わるきっかけとなりました。

大学卒業後は大阪に移り、当社の実店舗「e☆イヤホン」でアルバイトから正社員へとステップアップし、メディア関連のPR業務に従事しました。特にTBSのTV番組「マツコの知らない世界」への3回の出演は私にとって大きなターニングポイントでした。イヤホンというマニアックな領域において、マス層へその魅力を発信していくことに使命感を持ち、メディア対応を日々行っていました。2015年には執行役員に就任し、大規模イベントの主催など新規事業の立ち上げにも関わり、2023年には社長に就任しました。

株式会社タイムマシン
(画像=株式会社タイムマシン)

社⻑の一番感銘を受けた書籍とその理由

私が最も感銘を受けた書籍は「ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か」です。エリヤフ・ゴールドラット氏によるこの本は、私が社長になる前から創業社長に推奨されていた一冊で、社内でも読むべき本として広く認知されています。この本は、目的と手段の区別を明確にし、全体最適化の重要性を説いています。また、制約理論を用いて、会社としての生産性向上に役立つ考え方を提供してくれています。書籍自体はとても分厚くて、最初はとっつきにくいのですが、実際に読んでみるととても面白くて思わず読み進めてしまいました。

読んだ書籍をどう仕事に生かしてきたのか

本書を読んで、最も仕事に生かしてきたと思うのは、「手段の目的化」をなくし、「全体最適化」を目指したことです。日々の業務を行う中で、本来の目標を見失い、手段が目的になってしまうことが多いですが、この本を通じて、会社の目的と生産性を重視する考え方を学びました。

私たちのお店は小売業ですが、製造業を中心に書かれたこの本の考え方が非常に当てはまります。会社の目的と生産性を常に追求し、目標が正しく定められているか、部分的な最適化ではなく全体の最適化を目指す必要があります。この考え方は小売業や店舗型ビジネスという、部署単位での最適化が起こりやすい当社の業務において、非常に役立っています。

具体的には、中古買取のビジネスで、店舗ごとに分散していた作業をセンター化することで、効率化を図りました。これにより、買取量が増加し、サービスの質が画一化され、商品化までの時間が短縮されるなど、多くのメリットを実感しています。また、誰が商品を加工したかという情報追跡が容易になり、メンバーの生産性も把握しやすくなりました。

この変革は、コロナ禍においても特に重要で、リソースが限られる中で全体の最適解を見つけることが求められています。そのために、私は定期的に振り返りを行い、実際の作業が本来の目的に沿っているかどうかをチェックし、必要に応じて調整を行っています。これらの取り組みは、ゴールドラット氏の教えを実践した結果であり、私たちのビジネスにおける持続的な成長と効率化に寄与しています。

社⻑が経営において重要としている考え方

当社の経営において最も重要としている考え方は、会社の目的を常に意識し、顧客中心のビジネスを行うことです。「e☆イヤホン」というお店は、単なる小売店ではなく、イヤホンを愛する人々に支えられ、熱狂される店であると自負しています。私たちはイヤホンに関するあらゆるサービスを提供し、店舗販売及びEC展開や中古品買取だけでなく、イヤホンの修理サービスにおいても、交換対応ではなく、高度な技術の必要な修理を行うことで、お客様の期待に応えています。

売り上げや利益を上げることはもちろん大事ですが、それ以上にお客様を軸にした指標を重視し、ファンを増やしていくことを大切にしています。行う仕事がお客様のためになっているかをいつもスタッフに意識して持っていてほしいと考えており、お客様や取引先、そして自分にとっても良いことなのかを常に考える文化を持っています。

また、私自身は人を集めることに特化してキャリアを積んできたので、ファンを増やし、お客様に熱狂してもらうことが、経営において非常に重要なポイントだと考えています。私たちは、イベントを通じて新しいことに挑戦し、お客様に楽しんでもらうことを目指しています。そして、自分自身が楽しむことで、お客様にもその楽しさを伝えられると信じています。そのためにビジネス書以外にも、自己啓発的な読書を通じてマインドを高め、思考の幅を広げることにも努めています。

思い描いている未来構想や従業員に対する取り組みについて

当社は現在、オーディオ領域では、最大手ECサイトや大型家電量販店の競合企業とも肩を並べる存在になってきました。今後の構想としては、イヤホンを一般の人々にもっと知ってもらえるようにすることが大きなテーマです。これからは五感を通じた体験を重要視し、イベントへの参加拡大などを通じて、オーディオ業界を超えて認知度をさらに高めたいと考えています。直近では2023年の9月に「東京ゲームショウ2023」というゲームの新作タイトルを発表する場において、非常に大きなブースを出店させて頂き、ゲームタイトルを持たずにイヤホンを700機ほど持ち込んだところ、ものすごく反響がありました。X(旧Twitter)でもトレンドを獲得し、マス層に対してもイヤホンの魅力が伝わることを実感しました。

株式会社タイムマシン
(画像=株式会社タイムマシン)

従業員に対する取り組みとしては、一人一人が自立してキャリアを積む中で、当社での経験が彼らにとって価値あるものとなるようにサポートしていきたいです。当社は若いメンバーが多く、それぞれがに熱意があって成長していくため、私も相当出世が早かった方だとは思いますが、今の20代前半のメンバーには当時の私以上に出世スピードと成長が早く、責任の大きい仕事をしている人もいます。彼らのやる気に負けないように、今後も従業員がどこよりも多くの経験を積むことができる会社であることを目指していきます。

氏名
岡田 卓也(おかだ たくや)
会社名
株式会社タイムマシン
役職
取締役社長