主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年1月19日8時20分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼18日(木)の為替相場
(1):豪雇用者数大幅減少
(2):ECB議事録公表
(3):アトランタ連銀総裁「第3四半期よりも前に利下げを主張することも可能」
(4):米新規失業保険申請件数は減少
▼18日(木)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:週末を控えて動きが鈍る/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
18日(木)の為替相場
期間:18日(木)午前7時10分~19日(金)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):豪雇用者数大幅減少
豪12月失業率は予想通りに前月から横ばいの3.9%、同新規雇用者数は6.51万人減と予想(+1.50万人)に反して減少した。同労働参加率は求職者の減少を背景に前月の67.3%から66.8%へと急低下した。
(2):ECB議事録公表
欧州中銀(ECB)は昨年12月理事会の議事録を公表。「引き続き警戒と忍耐が必要で、当面、制約的なスタンスを維持する必要がある」とした。市場の早期利下げ観測については、市場の動きが「金融環境を過度に緩和させ、インフレ沈静の過程を阻害する恐れがある」と指摘。「理事会後のコミュニケーションにおいて市場の観測に迎合しないことが重要」との考えを共有したことも明らかになった。
(3):アトランタ連銀総裁「第3四半期よりも前に利下げを主張することも可能」
アトランタ連銀のボスティック総裁は「(インフレの)データに下振れサプライズがさらに蓄積され続けるようであれば、(自身の予想である)第3四半期よりも前に利下げを主張することも可能だ。ただ、その証拠は説得力のあるものでなければならない」と発言。「当局が政策金利を引き下げ、その後にインフレ率が上昇した場合に再度利上げを余儀なくされることが最悪の結果だろう」とも述べた。
(4):米新規失業保険申請件数は減少
米新規失業保険申請件数は18.7万件と2022年9月以来の水準に減少。市場予想(20.5万件)を大幅に下回った。同時に発表された米12月住宅着工件数は年率換算146.0万件と市場予想(142.5万件)を上回ったが4カ月ぶりに前月比で減少した。
18日(木)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:週末を控えて動きが鈍る
昨日のドル/円はほぼ横ばい。147.65円前後まで弱含む場面もあったが、米新規失業保険申請件数の減少を受けて米長期金利が上昇に転じると148.31円前後まで持ち直した。米新規失業保険申請件数は2022年9月以来の低水準となる18.7万件に減少。あらためて米労働市場の底堅さを示す結果となった。ただ、米金利先物市場で50%台に低下していた3月利下げの織り込みを一段と押し下げるには至らず、ドル/円は17日に付けた約1カ月半ぶりの高値148.53円前後を超えられなかった。
本日は、米1月ミシガン大消費者信頼感指数のインフレ期待に注目が集まろう。もっとも、市場予想によれば1年先、5-10年ともに前月から大きな変化はない見通しだ。概ね予想通りの結果であれば市場の利下げ期待にも大きな変化はないだろう。
また、本日は来週の日銀金融政策決定会合を前に、日本12月消費者物価指数(CPI)が発表される。日銀が注目する生鮮食品を除いたコアベースで前年比+2.3%に鈍化すると予想されている。ただ、日銀の現状維持を完全に織り込んだ市場の反応は限定的だろう。本日のドル/円は週末を控えて動きが鈍ると見られ、148円台半ばに近付けば伸び悩む一方、147円台後半では下げ渋る展開となりそうだ。
注目の経済指標:ミシガン大消費者態度指数
注目のイベント:FRB高官発言
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経済指標カレンダー
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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