主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年1月24日8時40分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼23日(火)の為替相場
(1):日銀 金融政策の現状維持を決定
(2):植田総裁の会見で一時円買い強まる
▼23日(火)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:ひとまず底入れした公算が大きい/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
23日(火)の為替相場
期間:23日(火)午前7時10分~24日(水)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):日銀 金融政策の現状維持を決定
日銀は金融政策の現状維持を決定。声明文にも目立った変化はなく「粘り強く金融緩和を継続していくことで(中略)物価安定の目標を持続的・安定的に実現することを目指していく」とあらためて表明した。同時に公表した展望リポートでは事前報道通りに2024年の物価見通しを従来の2.8%から2.4%に下方修正した。これを受けて一時円売りに傾いたが、日本株がイベント通過による利益確定と見られる売りで午前の上げを解消する中で円売りは続かなかった。
(2):植田総裁の会見で一時円買い強まる
植田日銀総裁は金融政策決定会合後の定例会見で、2%の物価目標実現の確度について「少しずつ高まっている」とした上で「目標実現が見通せる状況に至ればマイナス金利を含めた大規模金融緩和策の継続の是非を検討していくことになる」などと発言。解除に際しては、利上げペースなど「その後の金利の経路についても当然、考慮する」としつつ、現時点での物価・経済・金融見通しを前提とすると、「大きな不連続性が発生するような政策運営は避けられる」との見方を示した。これを受けて、日銀が今年前半にマイナス金利の解除に踏み切る公算が高まったとの見方が広がり円買いが強まった。ただ、植田総裁はその後、マイナス金利を解除しても「極めて緩和的な金融環境が当面続く」とし、長期金利に関しては「長期国債買いオペも、出口の前後で不連続性が発生することがないよう政策を運営したい」と一定の関与を継続する考えを示した。円相場は買い一巡後に上げ幅を縮小。ドル/円やクロス円は一時の下落から持ち直した。
23日(火)の株・債券・商品市場
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:ひとまず底入れした公算が大きい
昨日のドル/円は小幅に上昇した。日銀は金融政策の現状維持を決めたものの、植田総裁が物価目標実現の確度について「少しずつ高まっている」とした上で、目標実現が見通せる状況に至れば「マイナス金利を含めた大規模金融緩和策の継続の是非を検討していくことになる」などと発言したことを受けて円買いに傾くと146.98円前後まで下落した。しかし、海外市場では米長期金利の上昇を受けてドルが買われたため148.70円前後まで反発。前日比0.2%高の148.38円前後で取引を終えた。日銀の政策修正を巡る観測が欧米の長期金利を押し上げたと見られ、これによって内外金利差がむしろ拡大した点は非常に興味深い。世界最大の米国債保有国である日本の金利が上昇すれば本邦投資家の資金が米債市場から流出しかねないとの見方を反映した動きと思われる。こうした見方の是非はともかく、ドル/円は昨日の反発による下ヒゲ陽線でひとまず底入れした公算が大きい。先週19日に付けた1カ月半ぶり高値の148.80円前後を意識した展開となりそうだ。
注目の経済指標:独欧英米各種PMI
注目のイベント:米5年債入札
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経済指標カレンダー
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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