外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。

作成日時 :2024年1月25日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

目次

▼24日(水)の為替相場
(1):本邦貿易収支 予想に反して黒字
(2):本邦10年債利回り上昇
(3):中国人民銀 預金準備率を引き下げ
(4):欧州圏サービス業は景況感悪化
(5):英国の景況感は改善
(6):米国の景況感も改善
(7):米債入札はやや不調

▼24日(水)の株・債券・商品市場

▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:不安定な値動きになりやすい/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント

24日(水)の為替相場

外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

期間:24日(水)午前7時10分~25日(木)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム

(1):本邦貿易収支 予想に反して黒字

日本12月貿易収支は621億円の黒字。市場予想(1226億円の赤字)に反して小幅な黒字となった。なお、2023年通年の貿易収支は9兆2914億円の赤字となり、貿易赤字は過去最大だった2022年から54.3%縮小した。

(2):本邦10年債利回り上昇

日本10年債利回りが約1カ月半ぶりに0.74%前後まで上昇したことを受けて円買いが強まった。前日の植田日銀総裁の会見を受けて本邦債券市場では、日銀が早ければ3月にもマイナス金利の解除に踏み切るとの見方が広がった。

(3):中国人民銀 預金準備率を引き下げ

中国人民銀行(PBOC)は2月5日から預金準備率を0.5%引き下げると発表。潘功勝総裁は会見で預金準備率の引き下げにより、1兆元が市場に放出されると説明した。これを受けて中国の景気減速懸念が和らぐと人民元や中国株が上昇した。豪ドルもやや遅れて強含んだ。

(4):欧州圏サービス業は景況感悪化

独1月製造業PMI・速報値は45.4と市場予想(43.7)を上回り前月(43.3)から上昇。一方、同サービス業PMI・速報値は47.6と予想および前月(いずれも49.3)を下回った。その後に発表されたユーロ圏1月製造業PMI・速報値は46.6(予想44.7、前月44.4)、同サービス業PMI・速報値は48.4(予想49.0、前月48.8)だった。サービス業の景況感悪化でユーロは一時下落したが下値は限定的だった。

(5):英国の景況感は改善

英1月製造業PMI・速報値は47.3と市場予想(46.7)を上回り前月(46.2)から上昇。同サービス業PMI・速報値も53.8と市場予想(53.2)および前月(53.4)を上回った。予想以上の景況感改善でポンドは上昇した。ただ、その後はドル/円が下落したためポンド/円も反落した。

(6):米国の景況感も改善

米1月製造業PMI・速報値は50.3と市場予想(47.6)を上回り、2022年10月以来の水準に上昇。同サービス業PMI・速報値も52.9と予想(51.5)を上回り、7カ月ぶりの高水準となった。これを受けてドル買いに傾くとドル/円はこの日の安値146.65円前後から切り返した。カナダ中銀が政策金利を据え置いた上で声明文から「必要に応じ政策金利を引き上げる用意がある」との文言を削除したためドル高・カナダドル安に振れたこともドル全般の買い戻しを誘った。

(7):米債入札はやや不調

米5年債入札は応札倍率が2.31倍にとどまるなど、やや不調に終わった。これを受けて米長期金利が上昇するとドルを買い戻す動きが再開した。

24日(水)の株・債券・商品市場

外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)

<外為注文情報はこちら>

外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)
  • ※ 「外為注文情報」とは、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況を確認できるツールのことを指します。
  • ※また、高機能チャート(無料)では「取引分析」 を選択することで、チャート上に注文情報の表示が可能です。
  • ※ 尚、この外為注文情報は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。

人気通貨ペア 本日の予想レンジ

外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

ドル/円の見通し:不安定な値動きになりやすい

昨日のドル/円は一時146円台に下落した。前日の日銀金融政策決定会合を受けて早期のマイナス金利解除観測が広がる中、本邦長期金利が上昇。円を買い戻す動きが強まると148.00円、147.00円の節目を相次いで下抜けて146.65円前後まで下落した。ただ、その後は米12月購買担当者景気指数(PMI)の好結果などを背景にドル買いに傾くと147円台を回復。前日比0.6%安の147.50円前後で取引を終えた。市場は、日銀が早ければ3月にもマイナス金利の解除に踏み切るとの観測を強める一方、米連邦準備制度理事会(FRB)は3月の利下げ開始を見送るとの見方に傾きつつある。こうした日米金融政策を巡る思惑がドル/円相場の不安定な値動きを助長しているようだ。

本日も、まずは本邦長期金利の動向が注目される。なお、10年債利回りは昨日、一時0.74%前後まで上昇して約1カ月半ぶりの高水準を付ける場面もあった。海外市場では米10-12月期国内総生産(GDP)・速報値が注目されそうだ。米国景気の底堅さが改めて示されると予想されており、市場の3月利下げ観測を一段と後退させることになるか、結果と米長期金利の反応を見極めたい。ドル/円は本日も、日米双方の長期金利を睨んで不安定な値動きになりやすいだろう。

注目の経済指標:米10-12月期GDP

外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

注目のイベント:ラガルドECB総裁講演

外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。

経済指標・イベントの結果について

主要な経済指標・重要イベントの結果について、最新情報は外為どっとコムサイトの「経済指標カレンダー」で確認できます。

経済指標カレンダー

神田 卓也
神田 卓也(かんだ・たくや)
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。

●免責事項
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。