1997年、明治大学商学部卒。広告代理店勤務後、livedoorの広告事業に携わった後に独立。
2007年に同社を設立し、さまざまなメディアのインターネット関連新規事業をプロデュースした。 近年は、地域創生事業、ゴルフ関連事業、宇宙開発産業まで幅広いジャンルに注力している。
デジタルメディア関連事業に加え、人工衛星データ活用事業や、食、ゴルフテックなどさまざまなサービスを展開しています。
創業から上場までの事業変遷
ーーそれではまず、御社の事業変遷について教えていただけますか。
INCLUSIVE株式会社 代表取締役社長・藤田 誠氏(以下、社名・氏名略):弊社は、2007年に創業し、2019年12月に上場しました。この間を大きく分けると4つのフェーズがあります。 フェーズ1は「事業化と伸長」、フェーズ2は「メディアの収益化支援をトータルソリューションとして展開」、フェーズ3は「ガバナンスの強化と上場準備」、そして、フェーズ4は「コロナにおける成長戦略の方向転換とM&Aなどの事業進展」です。
特にフェーズ1、2の詳細をお伝えできればと思います。フェーズ1では、ネットメディアや出版社におけるデジタル事業開発のコンサルティングとして事業がスタートしました。私は以前、ライブドアを含めたインターネットメディアのベンチャー企業で働いていたので、そこでの経験を活かし、インターネットメディアの新規立ち上げや、出版社における紙媒体のデジタル化などの事業を展開しました。 フェーズ2では、メディアの収益化エージェンシーとして、組織化・事業化を進めました。コンテンツ制作から事業計画の立案、新規事業の構築、編集、人材育成、マネタイズまでメディアのOEMメーカーとしての役割を果たしました。
ーーなるほど。これらのフェーズを経て、現在御社ではどのような事業展開を行っているのでしょうか。
藤田:現在、弊社は様々なメディアの収益化支援を行っています。フェーズ2から事業が拡大し、名だたるメディアの裏側で弊社が活躍している状況を作り出すことに成功しました。これによって、営業・戦略構築からメディアの収益化を実現するトータルソリューションプロバイダーとしての地位を築いています。
ーー御社は、上場後、コロナにより事業に大きな影響を受けた中で、M&A戦略を中心に業績を急成長させたそうですね。こちらについて詳しく教えていただけますか。
藤田:コロナの影響で当初の計画が機能しなかったため、M&Aを中心に関連するグループやメディア、コンテンツの領域で事業を展開しました。その結果、売上を3.2倍近く伸ばすことができました。 これまでメディアマネタイズに特化していましたが、M&Aを通じて企画や地方創生に強い会社の買収に注力しています。現在、地方のテレビ局や情報インフラのデジタル化に取り組む企業と連携している状況です。
そもそもエクイティを活用しようと思った背景や思い
ーー次に、御社がIPOを行った際の思いや背景についてお聞かせいただけますか。
藤田:一番は、上場を通じて、社格を上げたいという思いが強かったことが背景にあります。上場まで無借金で事業拡大していましたが、私自身、上場企業の経営者として成長したいという思いもあり、個人の成長と会社の成長のために上場を目指しました。 また、資金調達の引き出しを増やすことで、会社の安定化及び成長の手段の確保も上場を目指した理由の1つです。
今後の貴社における事業戦略や展望
ーー続いて、今後の展望や戦略についてお聞かせいただけますか。
藤田:弊社は、大きく分けて3つの領域に注力していきたいと考えています。 1つ目はメディアマネタイズ、2つ目は地方創生、3つ目は宇宙関連です。 メディアマネタイズについては、ターゲットに合ったコンテンツを配置して収益化することを考えており、どのようなメディアでも対応できるように仕組み化しています。特に、各社の採用コストが上がっている中で、各社とも採用オウンドメディアを十分に活用しきれていないので、HR領域にもチャンスがあると考えています。
続いて、地方創生については、現在ホリエモンこと堀江 貴文さんと共同で取り組んでおり、福岡のラジオ局など複数企業を買収し、新規事業開発や放送局の経営改善、事業再編や体制強化に取り組んでいます。
最後に、宇宙領域ですが、私たちはロケットではなく衛星データを活用した一次産業の領域に取り組んでいます。今後、宇宙や衛星関連のバブルが来ると予想されますが、その前に自力でしっかりとしたサービスを作り、市場が順次伸びていくことを見越しています。
ZUU onlineのユーザーに一言
ーー最後に、ZUU onlineのユーザー様に向けて、一言お願いできますか?
藤田: 2点お話ができればと思います。 1つ目は、地方創生関連事業についてです。テレビやラジオ、出版が一般的には衰退産業と言われている状況ですが、直近買収したラジオ局の経営に私が直接携わることで、今後どのように成長していくのかを見ていただきたいと思っています。
2つ目は、宇宙関連事業についてです。私たちは宇宙分野に将来性を見いだしており、2026年から2027年頃には国内でも様々な可能性が広がってくると考えています。アメリカのスペースXなどが先行していますが、そういった企業と共に成長していきたいと思っています。
- 氏名
- 藤田 誠(ふじた まこと)
- 会社名
- INCLUSIVE株式会社
- 役職
- 代表取締役社長