株式会社マイベスト
(画像=株式会社マイベスト)
吉川 徹(よしかわ とおる)――株式会社マイベスト代表取締役
大学卒業後、投資銀行へ入社して公開引受業務に従事。主に上場を目指すベンチャーに対する上場準備及び財務戦略の立案実行を行う。その後ITメガベンチャーに入社し、新規事業責任者として新規事業の企画立案から運営までを取り仕切る。2016年に株式会社マイベストを創業。2020年にZホールディングスと資本業務提携し、現在に至る。
株式会社マイベスト
マイベストのビジョンは「ユーザーの生活を豊かにする」です。そのビジョンを達成すべく、「mybest」というサービスを運営しています。mybestは「選ぶ」という領域の課題を解決したいと考えているサービスで、インターネットを使った選択行動がもっと楽しく・もっとカンタンになるような世界を実現したいと考えています

目次

  1. これまでの事業変遷について
  2. 自社事業の強み
  3. 現在一番関心のあるトピック・関心事項とその理由
  4. 思い描いている未来構想や今後の新規 / 既存事業の拡大プラン

これまでの事業変遷について

株式会社マイベスト
(画像=株式会社マイベスト)

ーーこれまでの事業変遷について教えてください

株式会社マイベスト 代表取締役CEO・吉川 徹氏(以下、社名・氏名略): マイベストは2016年に起業しました。起業のきっかけは、ライフスタイルが多様化していることに伴い、商品の供給量が増え、購入時の選択肢が多くなっていると感じたからです。人々が商品を購入する際には、グーグル検索を利用することが多いものの、その検索結果から出てくるメディアの信頼性が問題視されている状況がありました。 本来、ショッピングは楽しいものであるはずなのに、インターネットを使ったショッピングでは、「これは大丈夫かな?」という不安を抱えることが多いです。そこで、検索行動の中でも特に「選択」という行動に特化した、より良いプロダクトがあってもいいのではないかと考え、起業しました。 それから約7年が経ち、現在は月間約3,000万ユーザーの方々に「マイベスト」を利用していただいています。

自社事業の強み

ーー御社の強みについて、教えてください

吉川:オペレーションが非常に強いことです。マイベストは、単なる比較メディアと見えるかもしれませんが、実際には違います。例えば、記事を作成する際にはユーザーの選択肢を増やすために、関連商品は全て購入し、データを集めています。このように、選択肢のデータベースを作成するためのオペレーションに力を入れていきました。 結果として、ユーザーと商品のマッチングが増え、業績も順調に推移してきました。これができたのは選択肢のデータベースを作るオペレーションがあったからです。オペレーションは、設備・ノウハウ・人の掛け算と考えており、それぞれが高いレベルであることがマイベストの一番の特徴だと思います。

ーー商品の選択とユーザー情報のデータの蓄積をされているのですね。

吉川:そうですね。大前提として、私たちは選択という行動を、マッチングだと捉えており、マイベストのサービスはマッチングサービスだと考えています。マッチングの精度を上げるためには、ユーザーの選択肢をよく知ることが大事です。ユーザーの性別、年齢、年収、思考性などを把握し、選択肢の特徴やスペック、どのような人に合うかなどを知ることができれば、適切なマッチングが可能になります。

ーーなるほど、ありがとうございます。マッチングというベースの考え方があることが強みにつながっているのですね。

吉川:そうです。また、スタートアップは上手くいった戦略を真似されることが頻繁に起こります。しかし、私が認識している限り、マイベストと並ぶ競合はいないと考えています。マイベストの難易度の高いオペレーションによって現在の規模まで成長することができました。

ーー他企業が真似できないオペレーション力というのは素晴らしいですね。

吉川:ありがとうございます。今後、私はマイベストを世界中の人が使うサービスにしたいと考えています。現段階では、世界で戦う上で、日本人が勝てる領域は限られていると思います。例えば、テクノロジーの領域ではGAFAと呼ばれるハイテク企業が市場を斡旋しており、日本が入り込む余地はあまりありません。 そのような状況だからこそ、日本人の強みを生かした部分で勝負したいと考えています。私が考える日本人ならではの強みは、細やかなオペレーションとものづくりの精神です。マイベストのオペレーションという強みを活かし、選択肢のデータベースをもとに事業展開していきたいと考えています。

現在一番関心のあるトピック・関心事項とその理由

ーー現在、関心のあるトピックについて教えていただけますか?

吉川:私は現在AIに関心があります。特に私たちの会社や事業においては、オペレーション改善に対する効果が大きいと考えています。例えば、最終的にアウトプットとしてデータを作成や商品の紹介文を作成する部分は、AIに任せることができると思います。また、ユーザーに見せる画像の加工や商品の画像の撮影も、将来的にはAIができるのでは、と考えています。

私の将来予想としては、AIの台頭により、約5年で社会全体が週休3日制に突入すると考えています。そのためには生産性の改善が必要で、AIによる寄与率を高める必要があります。私たちもいち早くAIを導入して生産性を改善し、いずれ週休3日制を実現したいと考えています。

思い描いている未来構想や今後の新規 / 既存事業の拡大プラン

ーー今後の未来構想についてお聞かせいただけますか。

吉川:マイベストの未来構想は、人類の選択というものをすべて任せてもらえるようなサービスを作り上げたいと考えています。具体的には、「GAFA」と呼ばれる会社は人間の本質的な行動を捉えていると思っており、私たちも選択という人間の本質的な行動を捉えた、信頼されるサービスを作りたいと思っています。 そのためには、信頼されるサービスには、信頼されるデータとユーザーの分析が不可欠だと考えています。例えば、シャンプーは人によって払える金額や求める機能が異なります。その人が満足できるような選択肢を届けられるようにしたいと考えています。

ーーユーザー個人のニーズに合わせた選択肢を提供するというのは素晴らしいですね。

吉川:ありがとうございます。さらにマイベストでは裏テーマとして、良い商品がユーザーへ届けられるようなイノベーションを起こしていきたいと考えています。現在、多くのユーザーが能動的な選択をしていません。例えば、水を買う際にも選択しているのではなく、マーケティングが上手な商品が売れる状態になっています。本来は、質の高い商品・物が消費者の手に届くべきです。 私たちのサービスを通じて、良い競争が起こり、各分野でイノベーションを起こし、人類の進化を早めることに貢献していきたいと考えています。

氏名
吉川 徹(よしかわ とおる)
社名
株式会社マイベスト
役職
代表取締役CEO