主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年2月19日8時20分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村 勉
目次
▼16日(金)の為替相場
(1):植田日銀総裁 衆院財務金融委で答弁
(2):英小売売上高は予想を大幅に上回る
(3):米PPIがインフレ高止まりを示唆
(4):米ミシガン大消費者態度指数は上昇
(5):米3連休を控えたポジション調整
▼29日(月)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:150円台を中心とした小動き/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
16日(金)の為替相場
期間:16日(金)午前7時10分~17日(土)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):植田日銀総裁 衆院財務金融委で答弁
植田日銀総裁が衆院財務金融委員会で答弁を行い、「先行きマイナス金利の解除などを実施したとしても、緩和的な金融環境が当面続く可能性が高い」などの見解を改めて示した。植田総裁の発言を受けてドル/円は150.28円前後まで上値を伸ばした。
(2):英小売売上高は予想を大幅に上回る
英1月小売売上高は前月比+3.4%と市場予想や前月(+1.5%、-3.3%)を大幅に上回った。英小売り各社が値引きをしたことが消費者の購買意欲上昇につながったようだ。
(3):米PPIがインフレ高止まりを示唆
米1月生産者物価指数(PPI)は前月比+0.3%、前年比+0.9%とともに市場予想(+0.1%、+0.6%)以上の伸びとなった。また食品とエネルギーを除くコア指数も前月比+0.5%、前年比+2.0%と市場予想(+0.1%、+1.6%)を上回った。米国のインフレ高止まりを受けて米長期金利が上昇。ドル/円は150.60円台まで上昇した。
(4):米ミシガン大消費者態度指数は上昇
米2月ミシガン大消費者信頼感指数は79.6と市場予想(80.0)を下回ったものの、前月(79.0)を上回った。構成指数の一つである1年先のインフレ期待は3.0%と市場予想や前月(ともに2.9%)を上回った。
(5):米3連休を控えたポジション調整
米国が3連休を控えていることでドルロングのポジション調整が持ち込まれた。ドル/円は150.09円前後まで下落した一方で、クロス円はストレートドルでの上昇の影響からその後、日通し高値を更新した。
16日(金)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:150円台を中心とした小動き
16日のドル/円は終値ベースで約0.15%上昇。米1月生産者物価指数の発表後に150.64円前後まで上昇するも、米2月ミシガン大消費者態度指数・速報値の弱い結果や米国が3連休を控えていることでポジション調整の動きから150円台前半まで押し戻された。
本日は米国勢がプレジデンツデーの祝日で不在となるほか、主要な経済指標の発表がないため、ドル/円は150円台を中心とした小動きが予想される。16日に日銀の植田総裁が衆院財務金融委員会で「マイナス金利を解除したとしても緩和的な政策が続く」と改めて表明したことで149円台では買われやすい。ただ、市場はすでに米連邦準備制度理事会(FRB)の年内の利下げ回数が3~4回とFRBの予測とほぼ同じになることを織り込んでいる。21日に1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が公表されるため、今後の利下げ開始時期を巡り内容を見極めたいとの見方もある。そのため150円台をどんどん買い上げる動きにも繋がらなさそうだ。
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1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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