主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年2月21日8時20分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼20日(火)の為替相場
(1):RBA議事録「利上げも検討」
(2):中国人民銀 LPRを引き下げ
(3):ベイリーBOE総裁 議会下院で証言
(4):カナダCPIの鈍化を受けてドル売り
▼20日(火)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:ドルを押し上げる力があるか懐疑的/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
20日(火)の為替相場
期間:20日(火)午前7時10分~21日(水)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):RBA議事録「利上げも検討」
豪中銀(RBA)は2月6日に開いた理事会の議事録を公表。「25bp(0.25%ポイント)の利上げも検討したが、インフレ動向の進展や労働市場の逼迫が予想以上に速いペースで緩和していることを踏まえて金利据え置きを決定した」と明らかにした。「インフレが目標水準に戻ることを確信するには、まだ時間が必要」とした上で「経済見通しがかなり不透明で、高インフレが根強いことから、追加利上げの可能性を排除しないことが適切との見解で一致した」と表明した。
(2):中国人民銀 LPRを引き下げ
中国人民銀行(PBOC)は銀行貸出金利の指標となる最優遇貸出金利(ローンプライムレート=LPR)の5年物を4.20%から3.95%へ25bp引き下げた。1年物LPRは3.45%に据え置いた。住宅ローン金利の基準となる5年物LPRを引き下げることで低迷する不動産市場を下支えする狙いがあると見られる。
(3):ベイリーBOE総裁 議会下院で証言
英中銀(BOE)のベイリー総裁は議会下院で「市場は年内に複数回の利下げがあると考えている。市場が織り込む金利のカーブを承認することはしない」と述べつつ「市場がそう考えるのは理不尽ではない」と述べた。また、「利下げの前にインフレ率が目標に達する必要がないのは明らかだ。極めて明確にしておく」と語った。2四半期連続マイナス成長となった国内総生産(GDP)については「極めて軽微なリセッション(景気後退)だ」と指摘。「経済が上向いた明らかな兆し」があると主張した。
(4):カナダCPIの鈍化を受けてドル売り
カナダ1月消費者物価指数(CPI)が前年比+2.9%と予想以上に鈍化したことを受けてカナダの長期金利が低下。つれて米長期金利も低下したためドル売りが強まった。ドル/円は下落した一方、クロス円はストレートドルの上昇が支えとなり強含んだ。ただ、連休明けの米国株が小安く始まるとクロス円も失速した。
20日(火)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:ドルを押し上げる力があるか懐疑的
昨日のドル/円は、150.40円台までドル買い・円売りが先行したが海外市場で下落に転じた。AIブームの象徴であるエヌビディアの決算発表を控え米国株が調整したことや、カナダの1月消費者物価指数(CPI)が予想以上に鈍化したことから米長期金利が低下すると149.68円前後へと反落した。もっとも、NY市場終盤にかけてはドルに買い戻しが入り150.00円前後へ持ち直すなど、総じてみれば方向感に乏しい値動きだった。
本日は米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録にエヌビディア決算と、NY市場終盤に注目イベントが並ぶ。このため、市場には様子見ムードが広がりやすく、ドル/円も日中は150.00円を挟んだもみ合いが続きそうだ。FOMC議事録については、早期の利下げを正当化しない姿勢が改めて示されると予想するが、市場の利下げ期待がすでに大きく後退している中でドルを押し上げる力があるかはやや懐疑的に見ている。
注目の経済指標:豪賃金指数
注目のイベント:FOMC議事録
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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