2023年10月に登場した「レヴォーグレイバック」。そのベースとなるの「レヴォーグ」は第2世代となります。先代「レヴォーグ」と比較すると「レヴォーグレイバック」は、どれほど進化しているのでしょうか?その違いを解説します。文・鈴木ケンイチ/写真・PBKK
「レヴォーグレイバック」と「レヴォーグ」の関係
「レヴォーグレイバック」は、第2世代の「レヴォーグ」の派生モデルとして2023年10月に発売となりました。特徴は“都会派SUV/クロスオーバー”であることです。最低地上高が145㎜から200㎜に高められており、大径タイヤを装着しています。また、質感を高めていることも特徴のひとつとなります。
そのベースとなった「レヴォーグ」は、2014年4月に新型スポーツツアラーとして初代モデルが誕生しました。そして2020年10月に第2世代にバトンタッチしています。そういう意味で、「レヴォーグレイバック」の先代モデルに該当するのが2014年デビューの初代「レヴォーグ」となります。
ボディサイズとタイヤ&ホイールサイズの違い
「レヴォーグレイバック」は大きなタイヤと高められた車高、そしてホイールアーチをカバーするサイドグラッディング装着するのが特徴です。寸法もベースよりも大きくなり、全長4770×全幅1820×全高1570㎜。タイヤ&ホイールは225/55R18のオールシーズンタイヤを装着しています。
一方、先代の「レヴォーグ」の寸法は、全長4690×全幅1780×全高1490㎜。最低地上高は135~145㎜というものでした。ホイール&タイヤは225/45R18で、もちろん普通のサマータイヤを装着しています。
最新の「レヴォーグレイバック」は、2016年より採用が始まったスバルグローバルプラットフォームを使用していますが、先代の「レヴォーグ」では、まだ旧型プラットフォームが使われていました。
先代で使われていた2つのパワートレイン
最新の「レヴォーグレイバック」と先代の「レヴォーグ」では、搭載するエンジンも異なります。「レヴォーグレイバック」は、CB18型と呼ばれる1.8リッターの水平対向4気筒DOHC直噴ターボが採用されています。ちなみにベースの2代目「レヴォーグ」には、もうひとつのFA24型と呼ぶ2.4リッターの水平対向4気筒DOHC直噴ターボも採用されています。
一方、先代の「レヴォーグ」に搭載されていたのは、FB16型と呼ばれる1.6リッターの水平対向4気筒DOHCターボと、FA20型と呼ぶ2リッターの水平対向4気筒DOHCターボです。
第2世代となることで、2つのエンジンは共に、排気量を拡大し、ポート噴射ではなく直噴エンジンに進化しています。
スペックの進化は、新型の1.8リッターは最高出力130kW(177馬力)に最大トルク300Nmになり、燃費性能は「レヴォーグレイバック」で13.6km/l(WLTCモード)/16.5km/l(JC08モード)に。第2世代の「レヴォーグ」の2.4リッターは最高出力202kW(275馬力)、最大トルク375Nmになり、燃費は11.0km/l(WLTCモード)/13.1㎞/l(JC08モード)となっています。
一方、旧型は1.6リッターが最高出力125kW(170馬力)に最大トルク250Nmで燃費性能が17.4km/l(JC08モード)。2リッターが最高出力221kW(300馬力)に最大トルク400Nmで燃費性能が13.2km/l(JC08モード)。
スペック的には旧型の2リッターが最も優れた数値をたたき出しています。
ちなみに、リニアトロニックと呼ぶCVTとフルタイム4WDは、先代と新型では、同じ形式が継承され、改良して使用されています。
アイサイトの進化
スバル車ならではの魅力となるのが先進運転支援システム「アイサイト」の存在です。
「レヴォーグレイバック」は、当然のようにスバルで最も進んだ「アイサイト」が搭載されています。そのシステムはステレオカメラに広角単眼カメラ、側面レーダー、ソナーといった複数のセンサーを組み合わせたもの。GPSと純天頂衛星「みちびき」、3D高精度地図データ、ドライバーモニターなどを組み合わせることで、最も進んだ「アイサイトX」と呼ばれる機能も実現しています。この機能を使えば、高速道路などの一定の条件を満たした自動車専用道路で、渋滞時にハンズオフ(ステアリングから手を放してもOK)という運転支援を実現します。
一方、2014年の初代「レヴォーグ」に搭載されているのは「アイサイト」Ver3.0と呼ばれる1世代前のシステムです。プリクラッシュブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)やアクティブレーンキープなど、当時としては最も充実した機能を備えていましたが、現在のレベルからすれば、やはり1世代古いという内容です。
最新の「レヴォーグレイバック」と、先代の「レヴォーグ」の内容は、まさに1世代分の差とでもいえる大きなものでした。プラットフォームからエンジン、先進運転支援システムまで、すべての点で最新の「レヴォーグレイバック」は新しいメカニズムが採用されていたのです。