コロナ禍からの回復途上にあった焼肉ビジネスが、ようやく本業で黒字を確保できる状況になってきた。

主な上場焼肉チェーンの業績を見てみると、「安楽亭」を展開する安楽亭<7562>の2024年3月期営業利益は9億1600万円(前年度は1億200万円の赤字)で、2020年3月期以来4期ぶりに営業黒字となる見込み。

「焼肉屋さかい」などを展開する焼肉坂井ホールディングス<2694>も同期の営業利益は1億8100万円(同2億4900万円の赤字)で、黒字化は4期ぶり。

「あみやき亭」を展開するあみやき亭<2753>は同期の営業利益が18億円(同4.26倍)と、コロナ禍前の状況に近づく。

一方、業績の回復の早かった「焼肉きんぐ」を展開する物語コーポレーション<3097>の2024年6月期の営業利益は82億7000万円(前年度比14.8%増)で、コロナ禍前の2倍強に拡大する。

回復過程に差はあるものの、4社がそろって黒字化できるのはコロナ禍の影響が大きく表れた2021年以降初となる。4社の直近の決算を見てみると。

業績を2度上方修正

安楽亭は2023年8月と2024年2月に2度、2024年3月期の業績予想を上方修正した。この結果、当初予想していた営業利益4億1100万円が、2倍以上に膨らむことになった。

2023年5月に新型コロナが5類に移行したのに伴い売上高が想定を上回って推移しているためで、当初は前年度比2.9%の減収を予想していたのが2.0%のプラスに転じ2期連続の増収を達成できる見込み。

M&A Online
(画像=2024/3は予想、「M&A Online」より引用)

上振れの可能性も

焼肉坂井ホールディングスは2024年2月14日に発表した2024年3月期第3四半期決算の営業利益が4億4400万円となり、通期の黒字化の可能性が高まった。

同社は2023年3月期に営業黒字を予想していたが、原材料やエネルギー価格の高騰などにより、黒字化を果たすことができず、3期連続の営業赤字に陥っていた。

営業利益は2024年3月期第3四半期時点で通期の目標(1億8100万円)の2倍以上に達しており、上振れする可能性がありそう。売上高も同第3四半期時点では前年同期比0.2%の増加となっており、5.9%の減少を予想する通期目標が上振れする可能性がありそうだ。

M&A Online
(画像=2024/3は予想、「M&A Online」より引用)