主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年3月6日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼5日(火)の為替相場
(1):本邦CPIは予想通り加速
(2):中国全人代開幕
(3):米ISM非製造業は予想以上に低下
▼5日(火)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:NY市場の重要イベントが値動きのカギ/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
5日(火)の為替相場
期間:5日(火)午前7時10分~6日(水)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):本邦CPIは予想通り加速
日本2月東京都区部消費者物価指数(CPI)は生鮮食品を除いたコアベースで前年比+2.5%と予想通りに前月(+1.8%)から伸びが加速した。その後、鈴木財務相は閣議後の会見で、政府がデフレ脱却宣言を検討しているとの一部報道について「そのような事実はない」と否定した。
(2):中国全人代開幕
中国2月財新サービス業PMIは52.5と市場予想(52.9)および前回(52.7)を下回った。なお、この日中国では全国人民代表大会(全人代)が開幕。2024年の経済成長目標を前年と同じ5%前後とし、財政赤字目標を対国内総生産(GDP)比で3%に設定した。これを受けて超大型の景気刺激策が講じられるとの期待が後退した。
(3):米ISM非製造業は予想以上に低下
米2月ISM非製造業景況指数は52.6と前月の53.4から低下し、市場予想(53.0)を下回った。構成指数では新規受注が上昇したものの、仕入価格や雇用が低下した。同時に発表された米1月製造業受注は前月比-3.6%だった(予想-2.9%、前回-0.3%)。
5日(火)の株・債券・商品市場
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:NY市場の重要イベントが値動きのカギ
昨日のドル/円は、米2月ISM非製造業景況指数の低下を受けて反落した。150円台半ば付近での推移が続いていたが、NY市場に入ると米長期金利の低下や株安を背景に軟化。米2月ISM非製造業景況指数が52.6と市場予想の53.0を下回ると149.71円前後まで下落した。ただ、150円割れでは押し目買いが入るなど下値は堅く、前日比0.3%安の150.06円前後で取引を終えた。
本日は、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が下院金融委員会で行う議会証言に注目が集まっている。議長は、あらためて利下げを急がない姿勢を強調する見通しだ。証言は日本時間24時からの予定だが、証言原稿が先立って公表されるケースが多いためNY市場序盤は関連報道に注意を払いたい。また、24時には米1月JOLTS求人件数の発表も予定されている。8日の米2月雇用統計を前に、市場は米国の労働関連の指標に敏感に反応しそうなことから注目しておきたい。ドル/円は本日もNY市場の重要イベントが値動きのカギを握ると見られ、東京から欧州市場にかけては方向感を欠く展開となりそうだ。
注目の経済指標:米労働関連指標
注目のイベント:パウエルFRB議長議会証言
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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