「観光客の混雑」認知度は100%。それでも観光客の85%は公共交通機関を利用。【HMSモビリティジャーナルLight …
(画像=「Car Me」より引用)

観光客の移動手段は、ほぼすべてが「公共交通機関」

実際に京都を観光している10代~60代の計7名に、インタビューを実施しました。

1名を除き、他すべての方が移動手段として「バス」や「電車」といった公共交通機関を利用していました。特に京都市内にはバス路線が多数にあったり、電車で移動可能な距離感でもあることから、車よりも手軽な移動手段を選択しているようです。

またすべての方が、観光地の交通混雑の問題を「知っている」と回答。そのうえで、全員が京都を観光地としておすすめするとしています。観光地の交通問題を改善する方法としては「観光客の料金UP」「公共交通機関の輸送量UP」「リアルタイムでの交通案内」などを挙げていました。

「観光客の混雑」認知度は100%。それでも観光客の85%は公共交通機関を利用。【HMSモビリティジャーナルLight …
(画像=「Car Me」より引用)

HMSが向き合う「オーバーツーリズム」 -沖縄での実証実験-

HMSが提供する事業のうち、オーバーツーリズムに最も関連が深い事業が「総合モビリティサービスEveryGo」です。特に、EveryGoブランドの1つであるカーシェアサービス「EveryGo」は、首都圏を中心に展開するシェアリングサービス事業です。

カーシェアサービス「EveryGo」は、2022年に沖縄県那覇市にて、観光カーシェアの実証実験を行いました。実証実験の地として沖縄を選定したのには、やはり交通事情の課題が大きいことが背景にあります。沖縄の移動手段の主は車で、空港に着いた観光客のほとんどがレンタカーを借りる流れになっていますが、需要が供給を追いこしてしまうこともあり、交通手段のリソース不足が懸念されていました。

●稼働率は30%越えと高い結果に

そのような中で、沖縄にカーシェアサービスEveryGoを展開したのですが、結果は非常に好評でした。利用頻度は都心よりも高頻度で、稼働率は30%を超える月もあるなど非常に高い結果でした。

稼働時期についても、通常カーシェアは平日に空きが出る傾向なのですが、沖縄では平日もご利用いただくことが多く、土日は基本的にご予約で埋まっていました。レンタカーとは異なり、思い立ったらすぐに利用できる点もカーシェアのメリットでして、特に観光地においてそういった必要がありましたね。

オーバーツーリズムを受けて、カーシェア利用は拡大傾向

コロナ禍が明け、観光需要の回復とともにレンタカーが不足する中で、カーシェアのニーズは高まっています。東京では稼働が2倍となるなどの需要が高まっている背景としては、レンタカーと比較して申込後すぐに利用できるため機動性が高いことや、レンタルスペース(店舗)が無くても借りることができるため、利用できる場所が多くあることなどが挙げられます。

●オーバーツーリズム対策としての「マルチモビリティ、マルチスキーム」

オーバーツーリズムへの対策としてモビリティサービスが出来ることは、“供給力をあげる”もしくは、“効率を上げる”の2点だと考えています。これに対して、HMSの考える一つの解は「マルチモビリティ、マルチスキーム」という考え方です。これは、テクノロジーを活用しシームレスな連携を行うことで、最適なモビリティサービスを最適な稼働量で提供することで、稼働効率を最大化し多くの需要に貢献することを指します。

●和光市との実証実験では3割の効率化を実現

「マルチモビリティ、マルチスキーム」の実現の第一歩として、EVソリューション事業(※1)と埼玉県和光市との実証実験を行いました。和光市の公用車を、予約機能の最適化により効率化するというもので、実際に約3割ほどの効率化を行うことができました。

アルゴリズムの導入によって予約システムを改善するだけで、稼働可能な車両が明らかになり、供給力がアップしました。この結果は、オーバーツーリズムの解決に資する考え方だと思っています。

(※1)EVモビリティに関するトータルソリューションの提供を行っています。

【アンケート調査概要】
調査名称:京都観光における混雑状況について
調査期間:2024年2月15日~2月26日
調査対象:京都観光をする10代〜60代の日本人男女7名(男3、女4)
調査方法:京都市内街頭インタビュー

HMSモビリティジャーナルについて

総合モビリティサービス企業であるHMSが、モビリティサービスのリーディングカンパニーとして、多種多様な業界×モビリティの切り口で、さまざまな情報発信や問題提起を行っていくニュースレターです。

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