M&A仲介業の自主規制団体「M&A仲介協会」(代表理事・荒井邦彦ストライク社長)が1月23日に都内で開催した加入者説明会で、「中小M&Aの支援と規律強化に向けて」と題し中小企業庁事業環境部財務課の木村拓也課長が講演。同協会が策定した業界自主規制ルールの浸透に強い期待が示された。

木村氏はM&Aが中小企業の後継者問題の解決や企業の生産性向上を図る有意義な手段と認めつつ、その過程で多くのトラブルが発生、苦情が多数寄せられていると述べた。

そうした中、2023年9月に公表された「中小M&Aガイドライン」で、M&A仲介事業者に依頼者との間の契約上の義務(善管注意義務・忠実義務)が生じること、業界統一ルールの制定と遵守が期待されることが明記されたと説明。これに応える形で、M&A仲介協会が、2023年12月に策定・公表した業界自主規制ルールについて、「こうした高いレベルで規律を備えて、質の高い業務を提供するM&A支援機関が依頼者から選択されるようなマーケットルールを作成していく必要がある」と述べ、「遵守徹底する意思を持つ多くの人が入会することは大事。協会が自主規制団体として有効に機能することを強く期待している」と話した。

さらに、中小企業庁では「協会などを通じて自主規制の枠組みに責任を持って参画する事業者が、マーケットで選ばれやすい環境を作っていく用意がある」「検討会などで適切に議論をした上で、ガイドラインに反映させ、全事業者に遵守を求めることもある」とし、M&A支援の質の向上を目指した取り組みをサポートする考えがあることも明かされた。

文:M&A Online