総括
FX「またもや高値更新。強い人民元に不満はないのか。輸出が低迷しディスインフレ」人民元見通し
(通貨3位、株価13位)
予想レンジ 人民元/円21.0-21.5
(ポイント)
*またもや年初来高値を更新、21.335
*強い人民元に不満はないのか
*株価はまだ低迷
*1Q・GDPは予想を上回る
*3月小売売上・鉱工業生産冴えず
*3月は輸出入ともに冴えず
*3月の物価も予想を下回る
*経済外交は続けている
*格付け見通しを「ネガティブ」に引き下げ、フィッチ
*米中首脳が電話会談、中国抑止に向けた防衛協力に重点
*イエレン財務長官、中国とのデカップリングはしない
*人民銀の金購入増加
*ロシアの外国為替市場における人民元の取引が過去最高
*中国の1月米国債保有高は減少
*成長目標は5%、インフレ見通しは3%
*中国への直接投資 前年から80%以上減少
*米国の輸入、中国が15年ぶり首位陥落
(年初来高値更新。4月17日に21.335)
いつものように米ドルに連れ高で年初来高値更新。4月17日に21335をつけた。
中国のファンダメンタルズの結果ではなく、あくまでドルを主としたバスケット制度採用の結果。強い人民元に不満はないのか。輸出が低迷しディスインフレとなる。
一方、株価は上海総合指数が年初来3.24%高、香港ハンセン指数は4.62%安。10年国債利回りは2.33%
(1QのGDPは予想を上回る5.3%増)
2024年1Qの国内総生産GDPは、前年同期比5.3%増加した。伸び率は前期の5.2%から拡大。予想の4.6%も大幅に上回った。不動産不況は続くものの、投資の伸びが全体をけん引した。
投資動向を示す都市部固定資産投資は4.5%増、インフラ投資が6.5%増、製造業の投資が9.9%増と好調だった。ただ、不動産開発投資は9.5%のマイナスだった。
3月の鉱工業生産は前年同月比4.5%増、小売売上高は3.1%増と、予想を下回った。
3月の住宅販売動向によると、主要70都市の8割超に当たる57都市で新築物件価格が前月から下がった。過半数の都市で値下がりするのは10カ月連続で、市況の底打ち感は依然見えない状況だ。
(3月貿易収支、輸出入ともに冴えず)
3月貿易統計。輸出は前年比7.5%減、輸入は1.9%減でいずれも予想を大きく下回った。輸出は昨年8月以来の大幅な落ち込みとなった。予想は、輸出が2.3%減、輸入は1.4%増。
輸出は前年同月が高水準だったため減少するとみられていたが、予想以上の落ち込みとなった。 輸入の減少は国内需要の低迷を浮き彫りにした。3月の大豆輸入は4年ぶりの低水準となった。原油輸入は6%減少した。
3月の貿易黒字は585.5億ドル。予想の702億ドル)を下回った。 3月の対米貿易黒字は229.4億ドル。
(弱い3月消費者物価)
3月消費者物価(CPI)は前年比0.1%上昇し、2カ月連続の上昇となったものの、予想の0.4上昇からは鈍化した。一方、生産者物価(PPI)は2.8%下落、需要が依然弱いことを示した。 当局には引き続き追加刺激策の導入を求める圧力がかかっている。
デフレ圧力は徐々に和らいでいるとみられるが、長引く不動産危機が消費者や企業の信頼感をなお圧迫している。
テクニカル分析(人民元/円)
またもや年初来高値更新、週足は5週連続陽線。今週もここまで陽線
日足、またもや年初来高値更新、4月17日に21.335。一時ボリバン2σ上限越える。今日の2σ上限は21.325。4月12日-15日の上昇ラインがサポート。5日線、20日線上向き。
週足、5週連続陽線。今週もここまで陽線。4月1日週-8日週の上昇ラインがサポート。2σ上限が上値抵抗。5週線、20週線上向き。
月足、3か月連続陽線。4月もここまで陽線。1月-3月の上昇ラインがサポート。ボリバン2σ上限が上値抵抗。
年足、4年連続陽線。22年-23年の上昇ラインがサポート。1993年以来の21円台のせ。
チーファンラマ
中独首脳外交
中国の習近平国家主席は4月16日、北京でショルツ独首相と会談し、中独が互いを尊重して違いを留保しながら「共通の基盤」を模索すれば、両国の関係は着実に発展し続けると表明した。
中国とドイツの産業とサプライチェーン(供給網)は深く結びついており、両国の市場は互いにかなり依存していると語った。