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ドル/円の見通し:再び153円台へ下落して米雇用統計へ

昨日のドル/円は円買い介入への警戒感と米長期金利の低下で153円台へ下落した。本邦実需のドル買い観測などから156円台を回復する場面もあったが、一巡後は断続的にドル売り・円買いが出てNY市場終盤には一時153.00円台まで下落した。1日のNYクローズ間際に日本政府・日銀が3兆円から3.5兆円規模の円買い介入を行ったとの見方が強まっている。一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)は警戒したほどタカ派姿勢を示さなかったとの見方から米長期金利の低下が続いたためドルは軟調に推移。終値は前日比70銭安の153.69円前後だった。

本日はNY市場で発表される米4月雇用統計に市場の関心が集まっている。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長はFOMC後の会見で「インフレ率が3%であることに満足していない」としながらも「インフレ率が3%を割り込んだことで、雇用面での目標が再び注目されている」と発言。FRBの2大責務のひとつである物価安定に一定の目途が付いたことで、もうひとつの責務である雇用最大化に目を向ける余裕が生まれたとの見解であろう。つまり、雇用最大化の目標達成が危うくなれば、インフレ率が目標を多少上回っていても利下げが正当化されるとの考えだ。ただ、4月雇用統計の市場予想によれば、失業率は横ばいの3.8%となる見通しでFRBが長期的な均衡水準と見る4.1%を下回る公算が大きい。非農業部門雇用者数の伸びが大きく鈍化した上に失業率が大幅に上昇しない限り、利下げ観測が有意に高まることはないだろう。米4月雇用統計後もドルは堅調を維持すると予想しており、ドル/円は当面、政府・日銀による円買い介入と米国経済の両睨みで落ち着きどころを探る展開となりそうだ。

注目の経済指標:米4月雇用統計

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注目のイベント:シカゴ連銀総裁発言

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神田 卓也
神田 卓也(かんだ・たくや)
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。

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