主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年5月16日8時20分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼15日(水)の為替相場
(1):豪賃金指数は低下
(2):ユーロ圏鉱工業生産が予想を上回る
(3):米CPI半年ぶりに鈍化
(4):リスク選好の豪ドル買い
▼15日(水)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:ドル安の余韻が残る可能性/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
15日(水)の為替相場
期間:15日(水)午前6時10分~16日(木)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):豪賃金指数は低下
豪1-3月期賃金指数は前年比+4.1%と市場予想(+4.2%)を下回った。ただ、豪ドルの下落は一時的ですぐに切り返した。中国が全国の地方政府に数百万戸の売れ残り住宅を買い取らせる案を検討しているとの一部報道が伝わったことが豪ドルの買い材料となったとの見方も出ていた。
(2):ユーロ圏鉱工業生産が予想を上回る
ユーロ圏1-3月期域内総生産(GDP)・改定値は速報値と変わらず前期比+0.3%だった。ユーロ圏3月鉱工業生産は前月比+0.6%と市場予想(+0.4%)を上回った。
(3):米CPI半年ぶりに鈍化
米4月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.3%と市場予想(+0.4%)を下回り、半年ぶりに伸びが鈍化。前年比では+3.4%と予想通りに前月(+3.5%)から鈍化した。食品とエネルギーを除いたコアCPIも前年比+3.6%と予想通りに前月(+3.8%)から鈍化した。同時に発表された米4月小売売上高は前月比±0.0%と市場予想(+0.4%)を下回った。自動車を除いた小売売上高は前月比+0.2%と予想通りだった。CPIの鈍化を受けて米長期金利が低下幅を拡大するとドル売りが加速。ドル/円は155.00円の節目を割り込んで下落した。
(4):リスク選好の豪ドル買い
米4月CPIを受けた長期金利の低下を好感して米国株が引けにかけて上げ幅を拡大。NYダウ平均が4万ドルの大台に接近するなど、主要3指数が揃って終値で最高値を更新した。市場には、インフレが落ち着く兆しを見せたことで米国の景気は失速することなくソフトランディング(軟着陸)が可能になったとの楽観論が台頭。リスク選好で豪ドル買いに傾いた。