ジムニーは軽自動車の中では珍しく、年式やモデルに関わらず高価買取されやすい車種です。そんなジムニーの中でも、買取相場が高くなる仕様は何なのか、それが具体的にいくらで買取してもらえるのか、その実態に迫っていきましょう。本記事では、ジムニーの買い取り相場について、グレードやモデル別に詳しく解説します。

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ジムニーはなぜ買取相場が高いの?

スズキジムニーシエラ
(画像=「Car Me」より引用)

まずはジムニーの買取相場の実態を見る前に、ジムニーとはどんな車で、なぜ買取相場が高いのかを確認しておきましょう。

国内外問わず人気が高い

通常、車は古くなるにつれて買取相場が下がっていくのが一般的ですが、ジムニーは古いモデルでも日本国内、海外共に需要があるため相場への影響が少ないです。

たとえば、2019年式の現行ジムニー(XCグレード6.8万km)が中古車市場で約160万円で販売されているのに対し、2013年式の先代ジムニー(XCグレード6.6万km)が140万円と、モデルも年式も大きく違うのにも関わらず価格差はわずか20万円しかありません。

これは、ジムニーは低年式車や過走行車でも海外へ輸出されているためです。

ちなみに旧モデルであるJB23型は、今でもアラブ、チリ、タンザニアなどへ多く輸出されています。

また、日本国内では昔から熱狂的なジムニーファンが多く、あえて古いモデルを好んで乗る方も少なくありません。

そういった趣味性の高さも相まって、古いモデルでも値段が落ちにくいため買取相場が高いと考えられています。

圧倒的な悪路走破性

ジムニーはトヨタのランドクルーザーと同様に、堅牢なラダーフレーム構造を採用しており、強度と悪路走破性に優れています。

なぜこのラダーフレーム構造が買取相場に関係があるのかというと、以下のような理由があります。

ラダーフレーム構造が買取相場に関係がある理由

  • 雪国での走行性能が高く、国内では東北や北海道で需要が高い
  • ロシアや北米などの豪雪地帯で活躍できるため輸出需要が高い
  • 道路が舗装されていない発展途上国(オフロード)での需要が高い
  • オフロード競技を楽しめる趣味性の高さ

このような需要が常にあるため、ランドクルーザーと同様にジムニーも常に需要があります。

ラダーフレーム構造は乗り心地に欠けるという欠点はありますが、軽自動車でジムニーほどの走破性能を持つ車種は他にありません。

そのため、軽自動車の中で走破性を重視するならほぼジムニー一択となることで、買取相場が落ちにくいのです。

モデルチェンジサイクルが長い

ジムニーはモデルチェンジのサイクルが他の車に比べて非常に長いため、型落ちとなる際の相場の下落があまりありません。

街中で見かける代表的なモデルは以下の3つです。

代表的なモデル

  • JA型(1990~1998) 8年間販売
  • JB23型(1998~2018) 20年間販売
  • JB64型(2018~現行モデル)現在6年目

このように34年前の1990年から見ても、わずか3つのモデルしか展開していません。

そして古いモデルはカスタムカーやクラシックカーとして人気が再燃するため、どんなに古くなっても買取相場が大きくは下がらないと予想されます。

新車納期が長い

新車の納期が長い車は、中古車市場の需要が高まり相場が高騰します。

中でも世界的に人気の高いジムニーは、受注に対して生産が追い付いておらず、2024年現在でも新車の納期は12ヶ月~18ヶ月かかる見通しです。

よって、ジムニーも例にもれず中古車の需要が高いため、買取相場も高くなります。

実際に、半導体不足やコロナショック等の影響が大きかった時期には「中古車の価格が新車価格を上回る」といった信じられない現象も起きました。

このようにジムニーは新車の需要に対して供給が間に合っていないため、中古車としてのニーズが多く高価買取されやすい車種なのです。

モデル別で見た買取相場の実態

スズキ ジムニー シエラ
(画像=「Car Me」より引用)

リセールバリューが非常に高いジムニーですが、具体的にはどのような仕様だと買取相場が高くなるのでしょうか。

ここからはモデル別にみた買取相場の実態と、その詳細を買取専門店の買取実績や流通している中古のジムニーの販売金額をベースにして解説していきます。

JA型(1990~1998):買取相場の目安5万円~150万円

角ばったクラシカルなボディが魅力のJA型は、買取相場の幅が非常に幅広いです。

市場に出回っているJA型ジムニーの約40%が走行距離15万kmを超えていますが、5~10万km未満の車両と比べても販売相場に違いはありません。

よって、JA型ジムニーの買取相場に「走行距離は関係ない」と言えます。

買取相場が30万円を下回るJA型を調査した結果、以下のような条件が当てはまりました。

買取相場が安くなるケース

  • ベースグレード(HAHCXBXC)
  • フルノーマル車
  • 修復歴がある
  • 走行距離不明
  • 不人気カラー(シルバー、イエロー、ブルーなど)

このような条件が当てはまると、買取相場が安くなってしまうようです。

逆に高価買取が期待できる条件は以下となります。

高価買取が期待できる条件

  • 特別仕様車
  • カスタムカー
  • 修復歴無し
  • 整備が行き届いている車両

買取金額が50万円を超える車両のほとんどが、特別仕様車であるランドベンチャーやワイルドウインドというグレードで、ホイール交換や全塗装など細部に渡るまで入念にカスタムされた車両でした。

また、古い車となるためエンジンを乗せ換えていたり、車として不具合のないものが高価買取される傾向にあります。

JB23型(1998~2018):買取相場の目安1万円~170万円

約20年間販売されジムニーの中で最もメジャーなモデルのJB型は、買取金額がグレードや装備に大きく左右されます。

市場に出回っている約2000台のJB23型ジムニーのうち、45%が走行距離10万kmを超えていますが、過走行でも100万円以上で販売されている車両が多い為、走行距離が買取相場にあまり影響を及ぼさないことがわかります。

買取相場が30万円を下回る安いJB23型を調査した結果、以下のような条件が当てはまりました。

買取相場が安くなるケース

  • ベースグレード(XAXGXC)
  • フルノーマル車
  • 修復歴がある
  • 20万km以上の超過走行車
  • 不人気カラー(シルバー、ブルー、レッドなど)
  • 年式が古い

JB型はカラーバリエーションが豊富ですが、乗り手を選ぶようなボディカラーや地味な印象を与えるシルバーは不人気カラーとして買取相場が安くなってしまいます。

また、走行距離が買取金額にあまり影響しないとはいえ、20万kmを超えるとさすがに買取相場も安くなってしまいます。

そして20年という長い期間販売されたので、同じモデルの中でも古い年式のものは買取相場が低くなり、買取金額が付かず廃車になる車両もあります。

これに対してJB23型で買取相場が高くなる条件は以下となります。

買取相場が高くなる条件

  • 特別仕様車
  • カスタムカー
  • 修復歴無し
  • 高年式車
  • 内外装の状態が良い車両

趣味性の高いJA型とは違い、JB23型は車のカスタムに興味が薄い層にも人気があるため、装備が充実している特別仕様車や、内外装の状態の良さが高価買取のポイントになります。

もちろん車のカスタムも大幅なプラス査定となるため、売却の際にはしっかりとアピールしましょう。

JB64型(2018~現行モデル)買取相場の目安110万円~200万円以上

現行モデルであるジムニーは流通量が多いにも関わらず発売当初から品薄状態が続いており、一時は中古車が新車価格を上回ることがありました。

たとえ修復歴があっても買取金額が100万円を下回ることはないでしょう。

高額なJB64型の中でも買取相場が安くなってしまう条件は以下となります。

買取相場が安くなるケース

  • 廉価グレード(XGXL)
  • MT車
  • 修復歴がある
  • スズキセーフティサポート無し
  • 不人気カラー(イエロー、ブルー、シルバー)

街乗り軽SUVとして、ファッション性が高く評価されたJB64型は女性にも大変人気のある車なので、MT車の需要はあまり高くありません。

また、自動ブレーキなどの安全装備が当たり前となった現在、スズキセーフティサポートがついていない車両は買取相場が低くなってしまいます。

これに対してJB64型で買取相場が高くなる条件は以下となります。

買取相場が高くなる条件

  • 最上級グレードXC
  • ツートンカラー
  • 人気カラー(ジャングルグリーン、シフォンアイボリーメタリック)
  • 修復歴がなく内外装の程度が良い車両
  • カスタム車両

最上級グレードXCはスズキセーフティサポートが標準装備で、ツートンカラーが選択できるため買取金額が高くなります。

カスタムに関してはオフロードタイヤ装着、グリル変更、リフトアップなどトータルでまとまったコーディネイトを施されている車両ほど評価されている傾向があり、逆に乗り手を選んでしまうような奇抜なカスタムは評価されていないようです。

買取相場が高くなる仕様とは?

クルマ買取
(画像=「Car Me」より引用)

ただでさえ高価買取してもらいやすいジムニーですが、ここからは更に買取価格がUPする仕様を詳しく解説していきます。

高く売るためにわざわざお金をかけて仕様変更する必要はありませんが、自分の車が買取価格が高い特徴を満たしているのであれば、売却の際はセールスポイントとして強くアピールすることをおすすめします。

リフトアップカスタム

ジムニーで最も評価されやすいドレスアップはリフトアップカスタムです。

リフトアップはタイヤをオフロードタイヤに変更したり、足回りを専用スプリングに変更したりスペーサーを追加することで車高を上げるカスタムのことを言います。

売却の際にきちんとしたメーカーの部品でリフトアップしていれば、間違いなくプラス査定になりますので必ずセールスポイントとしてアピールしておきましょう。

古ければMT 新しければAT

古いモデルであるJA11、JA12型(1990~)はMT車のほうが買取相場が高いです。

理由は、JA型のオートマはATコンピューターが水没しやすい位置にあるため雨天に晒され続けると浸水してしまうという致命的な欠陥があるからです。

事実、JA型のAT車は変速不良などの故障が多いため、あまり人気がありません。

JB23型(1998~2018)はモデル内で1式から10式まであり、一般的に大きく改良された5式(2004年10月)以降を「後期」と呼びます。

1~4式ではJA型と同じくAT不良が多いようですが、後期モデルになると故障が少ないので、5式以降であればAT車も買取相場が高いです。

現行モデルであるJB64型は、そのデザイン性の高さから街乗りSUVとして人気で、女性にも需要があるためMT車よりもAT車のほうが買取相場が高くなります。

特別仕様車であること

ジムニーで高価買取されやすいのは、装備が充実している特別仕様車です。

格モデル事に様々な特別仕様車がありますので、一覧化してプラス査定度を5段階評価でまとめましたのでご覧ください。

型式 特別仕様車グレード名 プラス査定度(5点満点)
JA型(1990~1998)ワイルドウインド★★★☆☆


ランドベンチャー
★★★★★

幌(ほろ)★★★★☆
JB23型(1998~2018)KANSAI★★★☆☆

ワイルドウインド★★★☆☆

ランドベンチャー ★★★★★

FISフリースタイルワールドカップリミテッド★★☆☆☆

クロスアドベンチャー★★★★★
JB64型(2018~現行モデル)2024年4月現在 特別仕様車無し          -

ワイルドウインドは廉価グレードXGをベースとしてアウトドアレジャー向けにアレンジされた特別仕様車で、ジムニーの定番グレードとなります。

それに対してランドベンチャーは、上級グレードXCをベースとしてさらに装備を充実させたモデルなので、ジムニーの中で最も人気がある特別仕様車です。

JA型にしかない希少なオープンモデル幌(ほろ)、ファッションデザイナーがプロデュースを手がけ個性的なボディカラーやシートデザインを備えたKANSAI、ウィンタースポーツに特化したFISワールドカップリミテッドも個体数が少ないため、状態が良ければ高価買取してもらいやすい仕様です。

そして、クロスアドベンチャーはあらゆる充実装備に加えて、専用アルミホイールや専用シートなどを兼ね備えた、ジムニーの中で最高峰のグレードのため、たとえ過走行でも高価買取が期待できるでしょう。

現行のJB64型には2024年4月現在では特別仕様車の設定はありませんが、いずれワイルドウインドやランドベンチャーのような仕様で発表されることでしょう。

ミリタリー系のボディカラー

ほとんどの車は乗り手を選ばないブラックやパールホワイトを選んでおけば高く買取してもらいやすいと言われますが、ジムニーはそれらのカラーよりもオフロード車らしいボディカラーのほうが人気があります。

ジムニーの高価買取されやすいボディカラーランキング

  • グリーン系(ジャングルグリーン、グローブグリーンパール等)
  • アイボリー系(シフォンアイボリーメタリック、クリアベージュメタリック等)
  • ブラック系(ブルーイッシュブラックパール、クエーサーグレーメタリック等)

一番人気のグリーン系は迷彩色を連想させ、ジムニーに最も似合うボディカラーとして人気です。

現行のJB64型ではジャングルグリーン、JB23型ではグローブグリーンパールの他に複数同系色の設定があります。

砂漠やオフロードを連想させるアイボリー系も人気で、これもジムニーにとてもよく似合うボディカラーとして人気です。

また、無骨さを強調させるブラック系やグレー系も高価買取されやすく、こちらは微妙に色合いが違う様々なボディカラーが展開されています。

おすすめの純正オプション

ジムニーはカスタマイズ性が高く、社外パーツが多く販売されていますが、買取の際に評価されやすいのはやはりSUZUKI純正のオプションです。

では、買取の際に評価されやすいおすすめの純正オプションを紹介します。

買取の際に評価されやすいおすすめの純正オプション

  • スペアタイヤカバー(約30,000円)
  • オプションフロントグリル(約37,000円)
  • 革調シートカバー(約60,000円)
  • マッドフラップ(約8,000円~15,000円)
  • 純正9インチナビ(総額約300,000円)

これらは純正オプションの中でも特に大きく外観をドレスアップできるカスタムなので、査定の際もすぐに気付いてもらえますし、買取相場もUPするのでおすすめです。

ジムニー買取相場のQ&A

Q.車検に通らないレベルのカスタムでも評価される?

A.あまりにも奇抜なカスタム(全塗装やワンオフパーツなど)や、車検に通らないカスタム(オーバーフェンダーや過剰なリフトアップなど)は場合によってはマイナス査定になるかもしれません。

取り外せるカスタムか車検に通る範囲内でのカスタムを推奨します。

Q.ジムニーシエラの買取相場の実態は?

A.シエラもジムニー同様に人気が高く、高価買取してもらいやすいです。

古いモデルも年式の割に相場が高く、20年落ち走行10万kmノーマル車が70万円前後で販売されています。

ジムニー買取相場のまとめ

ジムニーの買取相場の実態は、走行距離や年式よりもグレードやカスタムなどの仕様に大きく左右されるということが分かりました。

ジムニーを売却する際にはこういった特性をよく理解してセールスポイントをアピールすることで、足元を見られず高い買取金額を引き出すことができるようになるでしょう。