年明け後、特別損失の計上により赤字転落や赤字拡大に陥る上場企業が相次いでいる。
中華料理店「大阪王将」を展開するイートアンドホールディングス<2882>、中古バイク買い取り大手のバイク王&カンパニー<3377>、暗号資産関連の事業などを手がけるネクスグループ<6634>などがそれだ。
工場火災、子会社の吸収合併、有価証券の評価損と理由はさまざまだが、業績そのものが悪化している企業もある。各社の実情を見てみると。
3期ぶりの赤字転落も9%の増収に
イートアンドホールディングスは2024年1月10日に、2023年12月に発生した関東第一工場の火災による費用として、設備費や関連費14億円を特別損失として計上すると発表した。
これに伴って2024年2月期の当期損益の予想を当初の4億5000万円の黒字から7億円の赤字に下方修正した。当期損益が赤字になるのは2021年2月期以来3期ぶり。
出火したのは焼きギョーザ製造ラインの焼成工程で、すでに一部の製造ラインは再稼働しているほか、停止しているラインの製品は他の工場に製造を移管しているという。
このため、売上高や営業利益、経常利益の予想は変更しておらず、前年度比9.0%の増収 、 20.2%の営業増益、4.5%の経常増益を据え置いた。
中期経営計画の目標数字を取り下げ
バイク王&カンパニーは2024年1月5日に、子会社のライフ&カンパニーの吸収合併に伴う損失と、不採算店舗の減損処理によって、9600万円の特別損失を計上すると発表した。
これによって2023年11月期の当期損失が当初予想よりも4000万円拡大し1億1000万円になる。当期損益が赤字になるのは2016年11月期以来7期ぶり。
同社は2024年1月10日に2023年11月期決算を発表し、予想通りの数字を公表するとともに、店舗の人員不足や手薄となった教育などの影響で営業力が低下していることなどを理由に、2025年11月期を最終年とする中期経営計画の達成が困難として、同計画の数値目標を取り下げた。
売り上げは70%減に
ネクスグループは2024年1月5日に、投資有価証券の評価損6億1500万円を特別損失として計上すると発表した。
これに伴って2023年11月期の当期損益を当初予想の1億4200万円の黒字から6億4500万円の赤字に下方修正した。当期損益が赤字になるのは2020年11月期以来3期ぶり。
同社は主力のIoT(モノのインターネット)関連事業と暗号資産投資事業で売上高が減少していることから、当期損益だけでなく営業損益、経常損益も赤字に転落する。
売上高は当初予想の半分近くにまで落ち込み、8億200万円(前年度比70.9%減)に留まる見込みだ。
文:M&A Online