シンガポールの3D、西武HDを新規取得

5月以降の海外勢による主な新規取得はどうか。

英国投資ファンドのニッポン・アクティブ・バリュー・ファンドは積水樹脂株を5.05%、那須電機鉄工株を5.43%取得した。両社に対しては「財務的健全性及び市場での地位が株価に反映されていない」などとしたうえで、経営陣と対話を求める場合があるとしている。積水樹脂は道路資材、那須電機鉄工は電力鉄塔のそれぞれ大手メーカーだ。

シンガポール投資ファンドの3Dインベストメント・パートナーズが西武ホールディングス株を5.01%取得した。保有目的は「投資及び状況に応じて、経営陣への助言、重要提案行為を行うこと」。3Dの西武株の新規取得が判明したのは5月14日だが、これ以降、買い増しなどの動きは表面化していない。

M&A Online

(画像=西武ホールディングスの本社(東京・池袋)、「M&A Online」より引用)

調剤薬局株を買い進める香港オアシス

調剤薬局首位のアインホールディングスの筆頭株主に駆け上がったのは香港投資ファンドのオアシス・マネジメント。3月に9.6%の新規取得が表面化。5月1日に5.29%の追加取得が判明し、保有割合は14.89%に達する。

アインHDは6月4日、オアシスから取締役の解任、選任など4議案からなる株主提案があったと発表した。7月の株主総会が決戦の場となる。

オアシスは調剤薬局準大手、クスリのアオキホールディングス株も5月に買い増し、保有割合が9.67%と2ケタに迫っている。オアシスの動向次第で、調剤薬局業界の再編に発展する可能性がここへきて取りざたされている。

文:M&A Online