この記事は2024年7月30日に「CAR and DRIVER」で公開された「日産が欧州市場でNISMOブランドを復活すると予告。まずは100%電気自動車のアリアNISMOを発売」を一部編集し、転載したものです。


日産が“IT IS BACK”と称してNISMOブランドを欧州市場で再起させるとアナウンス。その皮切りとして近日中に高性能100%電気自動車のアリアNISMOをリリースすると発表

日産自動車の欧州部門である日産ヨーロッパは2024年7月16日(現地時間)、欧州市場でNISMOブランドを復活すると予告し、その端緒として本年6月に日本で発売したばかりの高性能100%電気自動車「アリアNISMO」を欧州でリリースすると発表した。

日産が欧州市場でNISMOブランドを復活すると予告。まずは100%電気自動車のアリアNISMOを発売
▲日産が“IT IS BACK”と称してNISMOブランドを欧州市場で復活させると予告。その皮切りとして高性能EVのアリアNISMOを近日中に発売すると発表

日産のモータースポーツ専門会社として1984年に「ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル(通称NISMO)」の社名を冠して設立され、現在は日産モータースポーツ&カスタマイズの重要ブランドに位置するNISMOは、今年で誕生40周年を迎える。これを機に、NISMOブランドを欧州で復活させることが決定した。欧州におけるNISMOブランドは、1988年に英国で設立されたニッサン・モータースポーツ・ヨーロッパ(NISMO EUROPE)から本格的にスタート。同年にはR31型系スカイラインGTS-Rがヨーロッパツーリングカー選手権(ETC)に参戦し、翌1989年から1990年にかけては世界スポーツプロトタイプカー選手権(WSPC)に舞台を移す。また、1991年から1992年にかけてはパルサーGTI-Rが世界ラリー選手権(WRC)に参戦した。1993年からは運営を日産ヨーロッパに移管し、イギリスツーリングカー選手権(BTCC)やイギリスラリー選手権(BRC)などを支援。BTCCでは1998年と1999年にプリメーラによって総合チャンピオンに輝く。さらに、1995年開催のル・マン24時間レースにはNISMO GT-R LMが参戦し、その後のプロトタイプマシンなどでもNISMOのブランド名を冠した。この間、欧州のモータースポーツシーンにおける日産車ユーザーのサポートを積極的に行い、またNISMOブランドのチューンアップパーツや車両も精力的に販売した。

日産が欧州市場でNISMOブランドを復活すると予告。まずは100%電気自動車のアリアNISMOを発売
▲アリアNISMOはエアロダイナミクス性能を高めるNISMOらしいダイナミズムを体現。空力性能を向上させるためにレースカーの知見を数多く取り入れ、EVとして特に重要な空気抵抗の低減とダウンフォースの向上を高い次元で両立させる

欧州市場において30年あまりに渡って展開されたNISMOブランドだったが、日産の世界戦略の見直しなどもあって、一時的に姿を消す。そして今回、NISMOの特徴と日本的なデザインアプローチを融合した高性能EVのアリアNISMOによって、欧州市場への復活を果たすこととなった。

日産が欧州市場でNISMOブランドを復活すると予告。まずは100%電気自動車のアリアNISMOを発売
▲電動駆動4輪制御技術にNISMO専用のセッティングを施した「NISMO tuned e-4ORCE」を採用。限界走行時においてより高いライントレース性を実現する

NISMOブランドの欧州市場における復活に際し、日産ヨーロッパのマーケティング&セールス部門のマイラ・ゴンザレス専務執行役員は、「NISMOブランドが欧州市場に戻ってきました。このエキサイティングなブランドを新しいモデルとともに欧州市場に再び導入します。ラインアップの電動化を推進する中で、お客様やNISMOファンに上質で魅力的なモデルを提供し続けることが重要です。アリアNISMOは、NISMO専用チューニングが生み出す高次元のハンドリング性能と爽快な旋回性、そして伸びのある加速性能が非常に高くバランスされているだけでなく、日常使いでも非常に快適なモデルです。その印象的なデザインと風格のあるプレゼンスは、街中でひと際目を惹くことでしょう」とコメントしている。

なお、アリアNISMOはベースモデルのアリアが導入されている全ての欧州市場で販売する計画である。

Writer:大貫直次郎


(提供:CAR and DRIVER