海外不動産投資ローンとは?海外物件に使えるローンや注意点を紹介
  1. 海外不動産の購入で使えるローン4選
    1. 現地の金融機関から借りる
    2. 国内の金融機関から国内での物件を担保に借りる
    3. 国内の金融機関の事業用ローンやフリーローン等を利用する
    4. 国内の金融機関から投資先の海外不動産を担保に借りる
  2. 海外不動産に国内不動産担保ローンを使うときの4つの注意点
    1. 融資へのハードルが高い
    2. 為替リスクに注意する
    3. フルローンを組めないことが多い
    4. 担保にできる国内物件の所在地が限定される場合がある
  3. 海外不動産投資での注意点6選
    1. 為替変動リスク
    2. カントリーリスク
    3. 日本の口座への送金制限
    4. 信頼できる管理会社かどうかを確認する
    5. 物件の売り先を探すのに苦労する
    6. オフプラン物件が完成しない場合がある
  4. 海外不動産を購入する手順

現在円安は深刻な問題の一つとして挙げられます。円安リスクからの資産防衛、リスク分散などの観点から海外不動産投資を始めたいと思っていても、その資金調達や始め方が分からない方も多いのではないでしょうか。

本コラムでは、海外不動産投資で使えるローンはなにかといったことから、海外不動産投資のリスクまで詳しく解説します。海外不動産投資を検討中の方はぜひ最後までご覧ください。

海外不動産の購入で使えるローン4選

海外不動産投資ローンとは?海外物件に使えるローンや注意点を紹介
(画像:PIXTA)

海外不動産への投資でも融資を受けて投資することが可能で、海外不動産投資で活用できるローンは大きく分けて4つあります。ここでは、海外不動産投資で活用できるローンについて解説します。

・現地の金融機関から借りる
・国内の金融機関から国内での物件を担保に借りる
・国内の金融機関の事業用ローンやフリーローン等を利用する
・国内の金融機関から投資先の海外不動産を担保に借りる

現地の金融機関から借りる

現地の金融機関でローンを組んで海外不動産を購入することが可能です。しかし、交渉や手続きを現地の言語で行う必要があり、その国での信用情報も精査されるため、日本に住みながら海外の不動産投資ローンを組むのは非常にハードルが高いと言われています。実際に国内の金融機関でも永住権のない海外在住の顧客を取り扱わないことが多いです。

また、現地の金融機関から借りることができたとしても融資可能な物件が限定される傾向にあります。融資対象となる物件はこれから建設される予定のプレビルド物件ではなく、完成している中古のレディプラン物件のみを対象とすることが多いです。

また、金利が国内のローンより高くなることも少なくありません。なぜなら、そもそも日本ではマイナス金利政策が導入されているため海外よりも金利相場が低い傾向にあること、海外では信用や担保の懸念から金利を高めに設定されることが多いといったことが理由です。

国内の金融機関から国内での物件を担保に借りる

国内の金融機関の不動産担保ローンを活用し、国内不動産を担保にする形で融資を受ける方法であり、海外不動産投資で最も一般的な方法です。資産価値が明確で安定している国内不動産を活用することで比較的低金利での借入が可能となります。しかし、すべての金融機関で対応しているわけではなく、投資先のエリアによっては対象外とされていることもあります。

国内の金融機関の事業用ローンやフリーローン等を利用する

不動産投資ローンを使わずに事業用ローンやフリーローン等を利用する方法です。担保なしで融資を受けることができますが、事業用ローンやフリーローンでは投資用不動産の購入を対象外とする場合があります。また、融資額は多くても500~1,000万円程度と少額になり、不動産投資ローンよりも金利が高くなる傾向があります。そのため、海外不動産投資へ活用できたとしてもあまり現実的ではありません。

国内の金融機関から投資先の海外不動産を担保に借りる

購入する予定の海外不動産を担保にして融資を受けることが可能です。しかし、この方法で融資を行っている金融機関は非常に少なく、融資取り扱い可能と判断される国や地域も限られます。

海外不動産に国内不動産担保ローンを使うときの4つの注意点

前述のように海外不動産への投資には国内の金融機関の不動産担保ローンを使うことが最も一般的な方法です。ここでは海外不動産に国内不動産担保ローンを使うときの注意点を4つ紹介します。

・融資へのハードルが高い
・為替リスクに注意する
・フルローンを組めないことが多い
・担保にできる国内物件の所在地が限定される場合がある

融資へのハードルが高い

海外不動産を対象として融資を実施する金融機関はごく一部に限られ、融資の条件も厳しくなる傾向にあります。海外の不動産市場の情報やリスクが日本国内よりも不透明であるため、多くの金融機関は海外不動産の融資に対してより慎重になります。また、海外不動産の取引は国際的な法務や税務上の問題が絡むため、金融機関の審査や契約手続きに時間がかかります。そのため、海外不動産に国内不動産担保ローンを利用する際には購入を予定している時期から逆算して、出来るだけ早めに金融機関と相談を開始することが重要です。

為替リスクに注意する

国内の金融機関でローンを組む場合は為替相場の変動による「為替リスク」に注意しましょう。国内不動産担保ローンでは円建て融資となりますが、投資した不動産からの家賃収入はドルなどの海外通貨での回収となります。そのため、例えば円高に振れて1ドル当たりの円の価値が下がった場合には想定の収益を得られなくなるリスクもあります。

そのため、事前に金融機関に相談して通貨スワップなどの金融商品を利用したり、ローンは日々の自己資金の日本円で返済を行い、外貨での不動産収入をプールして円安の際に両替したりすることで為替リスクを軽減する方法もあります。

フルローンを組めないことが多い

海外不動産投資ではフルローンを組むのが難しい傾向にあり、個人としての属性や国内担保不動産の評価額にもよるものの、概ね購入物件価格の6~7割程度が融資取り扱いの上限となることが一般的です。海外不動産の現在や将来の価値は見積もりにくく、法的な規制の違いや為替リスクなどから、物件価格の一部や一定割合を自己資金で賄う必要があります。

しかし、個人としての属性や国内担保不動産の評価額によって変動することがあるため、まずは事前に金融機関へ相談をすることをおすすめします。

担保にできる国内物件の所在地が限定される場合がある

金融機関によって異なりますが、担保にできる国内不動産に所在地を限定している場合があります。例えばオリックス銀行では首都圏・近畿圏・名古屋市・福岡市の居住用不動産を担保に入れる場合に限り、海外不動産の所在地を問わず融資を受けることができます。

海外不動産投資での注意点6選

海外不動産投資ローンとは?海外物件に使えるローンや注意点を紹介
(画像:PIXTA)

海外不動産投資では高利回り物件やリスク分散などから国内不動産とは異なる魅力があります。一方で、国内不動産投資にはないリスクも多く、海外不動産投資での注意点を6つ紹介します。

・為替変動リスク
・カントリーリスク
・日本の口座への送金制限
・信頼できる管理会社かどうかを確認する
・物件の売り先を探すのに苦労する
・オフプラン物件が完成しない場合がある

為替変動リスク

前述のように為替が変動することで想定よりも少ない収益となることも少なくありません。また、日々の家賃収入だけでなく将来の売却時にも影響を及ぼします。売却したいタイミングで円高となっている場合には想定の売却額よりも少なくなってしまいます。そのため、物件自体の価値だけでなく、為替相場の動向を注視することも重要です。

カントリーリスク

海外不動産投資をする際にはカントリーリスクにも注意しましょう。投資先の国や地域特有の政治的・経済的なリスクを指します。例えば政治的な不安定さや経済の停滞や外国投資家に対する規制の変更などが挙げられます。海外不動産投資をする人の多くは実際にその国に住んでいないことが多く、国内では予想できないリスクが多くあります。

そのため、専門家に相談したり情報を検索したりと投資先の国の経済動向や政治動向などを常に把握しましょう。また、海外不動産投資を行ううえでは一つの国や地域に集中して投資をせずに、日本国内の不動産などへ投資を分散させるなどポートフォリオ全体のバランスを取ることも重要です。

日本の口座への送金制限

投資した国によっては投資で得たお金を国外へ送金する際に制限がかかってしまうことがあります。現地だけでなく国内の法律や規制によって事前の届出が求められることがあります。そのため、専門家の助言を得て適切な手続きを把握し、送金規制を厳密に遵守してトラブルを避けましょう。

信頼できる管理会社かどうかを確認する

管理会社が信頼できる会社かどうかもしっかりと確認しましょう。現地の会社が管理を行うことが多く、言語や文化の違いなどから管理会社の質が大きく変わります。例えば管理会社となかなか連絡が取れなかったり、意図した通りの仕事をしてくれなかったりという懸念が考えられます。そのため、不動産購入するときだけでなく購入後の管理まで意識して事前に信頼できる業者とコネクションをもつことがポイントです。

物件の売り先を探すのに苦労する

売却したいとなった場合に買い手が見つからず、売却に時間や手間、費用が多くかかってしまうことも少なくありません。現地での売却は現地の会社に任せることが多くなりますが、言葉の壁や売却方法などの慣習の違いが大きなハードルとなることも考えられます。そのため、事前に売却する際の方法やそれに伴うリスクを購入前に整理しておきましょう。

オフプラン物件が完成しない場合がある

完成前の計画物件であるオフプラン物件を購入する際にはとくに注意が必要です。不動産会社やデベロッパーが倒産をして物件の建設自体が頓挫する場合があり、そのまま投資した前払い金などのお金が戻ってこないという事例も少なくありません。そのため、海外不動産投資に慣れていない場合は、まずは中古のレディプラン物件から始めることをおすすめします。

海外不動産を購入する手順

海外不動産投資ローンとは?海外物件に使えるローンや注意点を紹介
(画像:PIXTA)

海外不動産を購入する場合は、国内で不動産投資をする場合とほぼ同じ方法で購入を進めることが可能です。しかし、国内での不動産投資と比べて海外不動産投資の場合は、取り扱っている国内の不動産会社が少なく、現地で購入する場合には言葉の壁などのハードルがあります。また、実際に融資契約をする段階ではいろいろな書類が求められるため、手続きなどのサポート内容も事前にチェックしましょう。

・投資先の国や地域の情報収集、投資先を検討する
・現地または国内の不動産会社や専門家と相談し、投資物件を選定する。
・物件を実際に調査・視察する
・条件交渉を行い、購入申し込み及びローンの相談をする
・各種書類の手続きを実施する

(提供:manabu不動産投資

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