青木社長らの取締役解任を提案

一方、クスリのアオキホールディングスはオアシスとの攻防がエスカレートしている。8月16日に金沢市で開かれる株主総会で、オアシスは青木宏憲社長ら取締役3人の解任を求める株主提案を諮る。オアシスはクスリのアオキ株の9.67%を保有する。

解任理由は、2020年1月の取締役会で不当に安い価格でストックオプション(自社株購入権)の発行を決議し、会社側に損害を与えたというもの。ストックオプションの発行が「創業家の周到な相続対策の一環として準備された」などとして、創業家出身の青木宏憲社長、青木孝憲副社長ら4氏に対して約73億円の賠償を求める株主代表訴訟を金沢地裁に起こした。

クスリのアオキが株主総会で対峙するのは2度目。昨年の総会ではオアシスから社外取締役選任などの5議案が株主提案されたが、いずれも否決された。

ドラッグストア業界はウエルシア、ツルハ、マツキヨココカラ&カンパニー、コスモス薬品、スギホールディングス、サンドラッグが大手6社を形成する。これに準大手の筆頭格として関東地盤のクリエイトSDホールディングスと北陸地盤のクスリのアオキが続く。

次の再編に“役者”がそろった?

現在、クスリのアオキの筆頭株主は9.9%を保有するイオン。ツルハも5%強を保有する。

今後、オアシスがクスリのアオキ株を買い増せば、10%を超えて筆頭株主の座がたちまち入れ替わる。“役者”も出そろった感があり、ドラッグストア業界で次の再編へのマグマがたまりつつある。

文:M&A Online