C&Fロジをめぐり争奪戦
今年のTOB戦線で最も注目された案件が低温物流を主力とするC&Fロジホールディングスをめぐる買収合戦。
丸和運輸機関を中核とするAZ‐COM丸和ホールディングスが5月初め、C&Fロジの同意を得ないままTOBを始めたが、佐川急便を傘下に置くSGホールディングスがホワイトナイト(白馬の騎士)として途中参戦し、6月初めから対抗TOBに乗り出した。
AZ‐COM丸和はみずほ証券、SGは大和証券を公開買付代理人に指名した。争奪戦を制したのはSG。AZ‐COM丸和を2倍近く上回る買付価格を提示し、買収総額はおよそ1240億円に上る。
全54件のTOBのうち、MBOを目的とする案件は現在12件。SMBC日興が4件、野村証券、みずほ証券が各3件、三菱UFJモルガンが2件で代理人を務めている。
東海東京、どこまで伸ばす?
中堅証券で健闘しているのが東海東京証券だ。すでに昨年の年間4件に並ぶ。このうちの1つはTOBに再チャレンジとなった焼津水産化学工業に関する案件。
焼津水産は昨年、国内投資ファンドと組んで株式の非公開化(代理人はSMBC日興)を目指したが、旧村上ファンド系投資会社による株式の大量取得などでTOBが不成立に終わっていた。
◎公開買付代理人:証券会社別の件数推移(届け出ベース、2024年8月16日現在)
2020年 | 21年 | 22年 | 23 年 | 24 年 | |
TOB総件数 | 60 | 70 | 59 | 74 | 54 |
SMBC日興証券 | 8 | 20 | 14 | 21 | 12 |
野村証券 | 21 | 10 | 7 | 11 | 11 |
みずほ証券 | 12 | 11 | 7 | 9 | 12 |
SBI証券 | 1 | 4 | 3 | 8 | 1 |
大和証券 | 5 | 6 | 11 | 7 | 8 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 7 | 5 | 7 | 6 | 2 |
三田証券 | 4 | 8 | 6 | 6 | 3 |
東海東京証券 | 0 | 3 | 3 | 4 | 4 |
その他証券 | 2 | 3 | 1 | 2 | 1※ |
※2024年のその他証券はフィリップ証券。復代理人はカウントせず。
文:M&A Online