主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年9月30日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼27日(金)の為替相場
(1):自民党総裁選を見越した円売り
(2):石破氏勝利で円急騰
(3):フランスCPIが大幅に低下
(4):PCEデフレーターは3年半ぶりの水準に伸びが鈍化
▼27日(金)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:株式市場の反応次第では141円台へ続落リスク/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
27日(金)の為替相場
期間:27日(金)午前6時10分~28日(土)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):自民党総裁選を見越した円売り
事実上の次期首相を決める自民党総裁選挙の第1回投票を、金融緩和と積極財政を掲げる高市氏がトップで通過すると高市首相を見越した日本株買い・円売りが活発化した。
(2):石破氏勝利で円急騰
自民党総裁選の決選投票は石破氏が逆転で勝利。「高市トレード」が急速に巻き戻される形で株売り・円買いに傾いた。石破氏は緊縮財政志向で金融所得課税に前向きと見られていることから、さらに反応は強く日経平均先物は2000円超急落。円は全面高となった。石破氏はその後、「物価上昇を上回る賃金上昇のため新しい資本主義を加速する」と述べて岸田首相の経済政策を踏襲する姿勢を示した。また、その後のテレビ出演では「政府と日銀は緊密に協力すべき、金融政策に関して日銀に要請はしない」と発言。さらに「必要であれば財政刺激策を実施する」として市場の緊縮財政懸念について火消しを図った。
(3):フランスCPIが大幅に低下
欧州連合(EU)基準のフランス9月消費者物価指数(CPI)は前月比-1.2%と予想(-0.8%)を超えて大幅に低下。前年比では+1.5%と予想(+1.9%)を下回る伸びとなり、2021年7月以来の水準に鈍化した。
(4):PCEデフレーターは3年半ぶりの水準に伸びが鈍化
米8月個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)は前年比+2.2%と2021年2月以来、3年半ぶりの水準に伸びが鈍化。市場予想(+2.3%)も下回った。食品とエネルギーを除いたコアPCEデフレーターは前年比+2.7%と予想通りに前回(+2.6%)から小幅に加速したが、前月比では+0.1%と低い伸びにとどまった(予想+0.2%)。