主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年10月17日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼16日(水)の為替相場
(1):日銀審議委員発言で一時円買い
(2):英CPI 予想以上に鈍化
(3):対欧州通貨でドル買い加速
▼16日(水)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:指標の結果次第では再び150円台を試す動き/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
16日(水)の為替相場
期間:16日(水)午前6時10分~17日(木)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):日銀審議委員発言で一時円買い
日銀の安達審議委員が「金融政策が正常化プロセスに入る条件は既に満たしている」と述べたことが伝わるとやや円買いに傾いた。安達氏はハト派と目されていることから利上げに前向きな発言が意外感を持って受け止められた。ただ、安達氏は「基本的には緩和的な金融環境を維持しつつ、極めて緩慢なペースで政策金利を引き上げていく」「インフレ抑制のための急ピッチな利上げを実施する必要はない」「拙速な利上げは回避すべき」などと早期の追加利上げには慎重な考えをあらためて示した。このため、円買いは一時的だった。
(2):英CPI 予想以上に鈍化
英9月消費者物価指数(CPI)は前月比±0.0%、前年比+1.7%と市場予想(+0.1%、+1.9%)を下回った。前年比の伸び率は2021年4月以来の低さとなった。エネルギーや食品などを除いたコアCPIは前年比+3.2%、英中銀(BOE)が注目するサービスCPIは前年比+4.9%と、いずれも市場予想(+3.4%、+5.2%)を下回って伸びが鈍化した。BOEが11月および12月に連続で利下げを行うとの見方が強まりポンドが下落した。
(3):対欧州通貨でドル買い加速
BOEや欧州中銀(ECB)の利下げ観測を背景に欧州通貨安・ドル高が加速。対円でもドルを買う動きが強まった。クロス円は、ドル/円の上昇につれたほか米国株の反発を受けて強含んだが、ストレートドルの下落が重しとなり上値が重かった。
16日(水)の株・債券・商品市場
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