南アランド見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「年間首位。GNUで景気回復、今週は消費者物価」南アランド見通し

「通貨首位、株価9位」
「予想レンジ 南アランド円8.3-8.8」

(ポイント)
*今月は5位、年間では首位を維持
*今週は9月消費者物価の発表
*インフレ目標引き下げは可能
*8月小売売上は改善
*対中関係は良好、対台湾関係は?
*家計資産増加
*南アの弱点は高い失業率に不満、スト続く
*ラマポーザ大統領がGNUを世界に売り込む
*米国と南アの関係は
*資源高もランドを支える
*マスク氏のスターリンクサービスを開始か
*格付けを「BB-」に据え置き、見通しは「安定」
*アゴア法適用継続で南アの対米輸出への恩恵続くが、ガザ問題で関係悪化も
  
(今月は5位、年間では首位を維持)
 南アランドは今月は5位、年間では首位を維持。対円で年初来10.39%%高。株価指数は先週は1.22%上昇した。年初来では、13.41%高。総選挙前は一時マイナス圏だっただけに上昇ぶりは素晴らしい。10年国債利回りは9.28%。

(今週は9月消費者物価、インタゲ内)
 今週は9月消費者物価の発表がある。8月は4.4%でインフレ目標の3-6%の中間点の4.5%を下回った。9月も4.4%の予想だ。コアは4.3%の予想で8月は4.1%。
 インフレ圧力の緩和は、原油価格の下落、世界的な金融情勢の改善、ランド高によって支えられており、5月29日の総選挙後に南アフリカで企業寄りの連立政権が発足したことを受けて高まった前向きな感情も追い風となっている。

(インフレ目標引き下げは可能だ、中銀総裁)
クガニャゴ中銀総裁は、インフレ目標を経済への悪影響なく引き下げることは可能だと述べた。現状の中銀目標(3-6%)より低い水準への目標設定を強く推奨している。
中銀目標の引き下げはインフレ率と金利の低下につながる可能性があると指摘。中銀が2017年以来、インフレ率を目標の中間値4.5%に近づけることを重視してきたことの経済成長への悪影響はほとんど、あるいは全くなかったとする研究結果を引用し、中間値4.5%を重視する中銀の決定によって「明確で信頼できる意思疎通」を通じたインフレ抑制が促進されたと述べた。
その上で、「効果的に実行すれば、ほとんど代償を払うことなくインフレ目標を引き下げられる」と述べた。
財務省は2月に目標の見直しが行われていると発表した。
クガニャゴ氏は、インフレ目標の見直しは引き下げるしかないのは明らかだとしながらも、そのプロセスは複雑で、政治的、経済的計算も必要だと認めた。

(8月小売売上は改善)
 8月小売売上高は前年比で3.2%増、7月の1.7%増を上回った。予想は1.0%増。
小売活動は6か月連続で成長し、そのペースは力強い。この増加に最も大きく貢献したのは、一般販売業者で家庭用家具、電化製品、機器、食品、飲料、タバコの売上が大幅に増加した。