主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年11月12日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼11日(月)の為替相場
(1):日銀主な意見 やや意見が割れる
(2):米財務長官候補報じられる
(3):ユーロ/ドル 7カ月ぶり安値へ下落
▼11日(月)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:リスクオンの地合いが支え/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
11日(月)の為替相場
期間:11日(月)午前7時00分~12日(火)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):日銀主な意見 やや意見が割れる
日銀は10月の金融政策決定会合における主な意見を公表。ある委員は「米国経済の不透明感が低下する中で『時間的余裕』という言葉で情報発信をしていく局面ではなくなりつつある」「今後は、毎回の会合でその時点のデータに基づき、リスクや見通しの確度を点検していくことを伝えていくことが重要」と主張した。一方、ある委員は「内外における不確実性の高まりに鑑みると、金融政策運営をより慎重に行っていく必要がある」「この先の政策金利の引き上げは時間をかけて慎重に行う必要がある」と指摘。追加利上げを巡り、日銀内でやや意見が割れていることがわかった。
(2):米財務長官候補報じられる
米国のトランプ次期大統領は今週中に財務長官の候補者リストを絞り込む方針で、同ポストにはウォール街の経歴を持つ人物を起用する方向だと一部メディアが報じた。財務長官候補として、米投資銀行キャンター・フィッツジェラルドのハワード・ルトニック最高経営責任者(CEO)や、ヘッジファンド界の大物であるジョン・ポールソン氏、著名投資家ジョージ・ソロス氏のマネージャーを務めたスコット・ベッセント氏などが挙がっているとのこと。
(3):ユーロ/ドル 7カ月ぶり安値へ下落
ユーロ/ドルが約7カ月ぶりに1.062ドル台まで下落した動きにつれてユーロ/円も163.58円前後へと下落。米国のトランプ次期大統領が対外強硬派のライトハイザー前米通商代表部(USTR)代表に新政権下で同ポストに復帰するよう打診したとの報道を受け、米国の輸入関税引き上げに対する警戒感が高まった。ドイツの政局不透明感と相まってユーロ安要因となった模様。