南アランド見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「国内は回復もトランプトレード、中国景気に挑む。AGOAも鍵」南アランド見通し

「通貨4位、株価12位」
「予想レンジ 南アランド円8.2-8.7」
                                           

(ポイント)
*2024年は終盤に首位から後退し4位となった
*成長・インフレ見通しは
*昨年強かった要因、弱かった要因
*対米関係は
*今週の注目は
*次回政策金利決定は1月25日
*南ア、12月1日からアフリカ初のG20議長国に就任
*3週連続で対円陰線
*小売売上、企業信頼感が改善
*ムーディーズの南アの見方は
*予想外のマイナス成長。3Q・GDP
*BRICS新通貨構想はない(財務大臣)
*鉱産物価格は弱い

(2024年は終盤に首位から後退し4位となった)
2024年は12月13日週まで最強であったが、11月のトランプ氏の大統領選勝利に流れで
ドルに抜かれ、最終的には4位まで下落して終えた。

(成長・インフレ見通し)
IMF予想では、成長率は2024年が1.1%、25年が1.5%。消費者物価は24年が4.7%、25年が4.5%、経常収支が24年がGDP比マイナス1.6%、25年がマイナス1.9%となっている。

(昨年強かった要因)
6月の総選挙で与党ANCが大敗し、連立政権を組むこととなったが、それが改革を成し遂げ内外の信頼を勝ち得た。また24年3月から無停電が続き、生産活動も回復基調にある。

(昨年終盤に弱含んだ要因)
最大貿易相手国の中国景気の減速、次期トランプ政権の減税政策による金利上昇、ドル高、また関税引き上げ、鉱産物増産示唆などでランド安が進んだ。
 ただバイデン大統領は米国の沿岸部での新たな石油掘削を禁止する政策を打ち出しているので、トランプ政権の思惑通りには事は運ばないようだ。南アは産油国でないが、現有価格上昇で他の資源価格も上昇すればランドにも恩恵がある。

(対米関係)
ラマポーザ大統領は、トランプ次期政権と2国間の幾つかの分野で緊密に協力することを望んでいる。トランプ氏の勝利は市場にマイナスの反応を引き起こし、新興市場への影響を投資家が懸念した。最も大きな懸念は、南アを含むサハラ以南アフリカ(SSA)の34カ国から1,835品目を対象に、米国市場への無税アクセスを提供するアフリカ成長機会法(AGOA)が脅かされる可能性があるということだ。AGOAを背景にビジネスは大きく成長し、工場の拡張や雇用促進を進めてきたが、AGOAが更新されなかった場合、ビジネスに大きな影響を与えるだろう。AGOAは2025年9月末に失効予定。

(今週の注目)
1月6日発表の12月S&PのPMIとアブサ製造業PMIだ。

(利下げ継続か)
インフレ期待は2021年以来の最低水準に低下し、当局が引き続き金利を引き下げる根拠が強まった。2年先の平均インフレ期待は、4Qに4.6%と、以前の4.8%から低下した。今年と来年の期待もそれぞれ4.6%と4.5%に低下した。 総じてインフレが穏やかであることを反映したデータだ。2025年まで利下げを続ける余地がある可能性を示唆している。
次回政策金利決定は1月25日。