総括
FX「エルドアン大統領が利下げ宣言。利下げでリラは?」トルコリラ見通し
(2024年は通貨11位、株価首位)
予想レンジ トルコリラ/円4.2-4.7
*リラ円は10年連続の年足陰線だが、10年ぶりの対円下落率が一桁%台へ
*2024年の株価指数は世界最強
*2025年成長・インフレ見通しは
*さらなる利下げを宣言、エルドアン大統領。利下げでリラは?
*12月消費者物価が低下
*政策金利を2.5%引き下げ、47.5%へ
*格付け会社の評価は改善
*5カ月連続で経常収支が黒字
*シリア問題も複雑、トルコ、米国、イスラエルが絡む
*トルコはシリア復興を支援(復興特需は)
*中銀の目標は2025年末に政策金利を21%へ引き下げること
*エネルギー自給を目指している
*トルコは世界のドローン市場の65%を支配
(リラ円は10年連続の年足陰線だが、10年ぶりの対円下落率が一桁%台へ)
2024年のトルコリラ円は10年連続の年足陰線となった。ただ年間の下落率は7.14%で10%を切り、10年ぶりの一桁%の下落となった。もし昨年の日本の大規模円買い介入がなかればリラは円より強くなっていただろう。
24年のリラは12通貨中11位であった。
(成長・インフレ見通し)
IMF予想では、成長率は2024年が3.0%、25年が2.7%。消費者物価は24年が60.9%、25年が33.0%、経常収支が24年がGDP比マイナス2.2%、25年がマイナス2.1%、失業率が24年が9.3%、25年は9.9%となっている。
(さらなる利下げを宣言、エルドアン大統領)
エルドアン大統領は、金融政策に加えてインフレ抑制のために他の手段も活用すると指摘し、2025年にはさらなる金利引き下げが行われるだろうと述べた。
「我々の経済計画の優先事項はインフレを抑えることだ。金融政策に加え、我々が利用できる他の手段を使うことで、インフレを必要な水準まで下げられると期待している」と大統領は述べた。
「我々は間違いなく金利引き下げを開始する。2025年はそのため節目の年となるだろう。」 大統領は12月に2.5%利下げを決定した中銀がさらに利下げするとの見通しを示した。
利下げを継続しても、海外からに株買い、長期債への買い(利回り低下)が入ればリラにも勝機がある。引き続き世界から評価される(最終項参照)経済運営を実施することが鍵だ。
(消費者物価が低下)
12月の消費者物価は前年比44.38%上昇だった。教育、住宅、外食価格が押し上げたが、11月から予想以上に減速した。
前月比では1.03%上昇だった。予想は前年比45.2%上昇、前月比1.61%上昇だった。 11月は前年比47.09%上昇、前月比2.24%上昇だった。
(政策金利を2.5%引き下げ、47.5%へ)
トルコ中銀は12月26日、政策金利を2.5%引き下げ、47.5%とした。
中銀は「インフレ見通しに焦点を当て、会合ごとに慎重に」政策を決定するとし、「顕著かつ持続的な悪化」が予想される場合には対応すると表明した。先行指標で12月の基調的なインフレ鈍化が示唆され4Qに需要の減速が続き、インフレの鈍化が進むとの見解を示した。